秋元 康氏がプロデュースする「劇団4ドル50セント」の第2回本公演『ピエロになりたい』が今月22日から上演開始される。
しらべぇ編集部では、その稽古場に伺い、劇団員6人へのインタビューを実施。今回は、大阪出身の谷口愛祐美に『ピエロになりたい』の見どころや、第1回旗揚げ本公演『新しき国』からの成長について話してもらった。
■悔しい気持ちを出せるように
第1回旗揚げ本公演『新しき国』から半年。第2回本公演『ピエロになりたい』のオーディションなど、劇団メンバーとしてまた新たなことを経験した。その中で自分が成長したと思うところはあるのだろうか。
谷口:自分として成長したと思うのは、悔しいだとか、嫌だとか、そういう気持ちを持ってしまう自分を認めてあげられるようになったところですかね。私は悔しいと思う気持ちだとかを出すのがすごく恥ずかしいと思っちゃってたんですよ。
でも、この劇団では、みんながずっとライバルであるし仲間。だから、戦わないといけないし、助け合わないといけないしという環境で、自分が負けたくないっていう気持ちを恥ずかしがって引きこもってちゃダメだなって。
負けたくないって気持ちに対する恥ずかしさがちょっとなくなったのかなと思います。
■『新しき国』を振り返って
『新しき国』は20日から動画配信サービス「dTV」で配信がスタートされる。この作品で、谷口は主人公の詩と唯一友達になる酒屋、香澄を演じた。映像として初めて舞台を観てくれる方に向けて、紹介したい見どころを改めて振り返ってもらった。
谷口:『新しき国』は由緒ある素敵な劇場でやらせてもらって、しかも第1回の旗揚げとなる作品。たぶん、みんなの若々しさじゃないんですけど、やる気というかこう、今からスタートするぞ! って気持ちが出てると思います。
私としては正直あんまりメインとして立っていたという印象はあまりなくて。でも、主役の詩ちゃんに自分から友達になろうって寄り添える役で、普段の自分にはできない、直接的じゃない優しさを演じるのはすごく楽しかったです。
香澄ちゃんは一見すごく派手な衣装で、売ってるお酒を自分で飲んじゃうような感じなんですけど、ずっと見てたら人間的なかわいらしさのある役なんですね。そういうところにも注目して観ていただけたら嬉しいな。
■『ピエロになりたい』で演じる役柄は?
第2回公演『ピエロになりたい』は、ピエロの養成学校に通う生徒たちが、厳しい授業を通して自分を変えていこうとする物語。
その中で、谷口が演じるのは「チャップリン」というキャラクターだ。
谷口:私の役は、「ハーレクイン」っていう、やさぐれたようなクラスのリーダーです。物語が進むにつれて出てくる設定なんですけど、ハーレクインの生徒たちはある事件をきっかけに、先生に対して恨みを持つようになるんです。
でも、その恨みの根本にはそれぞれのキャラの優しさがあったり、先生の優しさがあったりして。それが最終的に明らかになっていくというか、わかっていって。(主役の)ポーカーとかいろんな人に感化されて、やさぐれていたけど、ピエロになろうとするキャラですね。
■笑いのスパイスにも注目
『ピエロになりたい』の本公演に向けた意気込みとして、谷口は「登場シーンは多くないが、ブッフォンやフール(ハーレクイン以外のクラス)とは違った雰囲気で、お客さんの印象に残せるようにしたい」と話す。
舞台を観てくれた方の印象に残るように、どのようなことを意識しているのかを最後に教えてもらった。
谷口:ハーレクインにはお笑い対決みたいなのがあるんです。ハーレクインには、実際にコンビを組んでM-1にも出た女の子もいるので、そのふたりの特性を活かして、劇場の中でも皆さんを楽しませる「笑い」というスパイスを加えられるようなチームになりたいなと思ってます。
上京前、お笑い芸人が出演する舞台にも出演していたという谷口。『ピエロになりたい』のメインキャストオーディションの際は、お笑いコンビ・ガンバレルーヤのよしこを始め、多くの芸人がエールを送っていた。
インタビュー中には、言葉に詰まることもありながら、懸命に自らの言葉で伝えようとしてくれるなど、その真摯な姿勢が人を惹きつけるのだろう。舞台で演じる彼女を見て、そうしたひたむきさを是非感じてもらいたい。
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