悲劇的な事故や事件により大切な家族を失ってしまった遺族にとって、ネット上での中傷は耐え難い苦痛となる。このほど、Facebookに悪質で残酷な中傷を書き込んだとして逮捕されていた38歳の男に14か月の懲役刑が下された。『BBC News』『Mirror』などが伝えている。

英ノーサンバーランド州ウォークに住むポール・ハインド(38歳)は、過去に悲劇的な状況で死亡した4人に対してFacebook上で卑猥かつ侮辱的な中傷メッセージおよび画像を投稿。虚偽の情報を伝えたことにより遺族に更なる苦痛を与えたとして、11月15日ニューカッスル刑事法院で14か月の懲役刑を言い渡された。

ハインドは、2014年9月に旅行で訪れたタイのタオ島で殺害されたノーフォーク州ヘムズビーのハンナ・ウィザリッジさん(23歳)、今年2月7日にダラムのナイトクラブ「Missoula(ミズーラ)」の外で倒れたフェンスの下敷きになり頭部を強く打って死亡したハンプシャー州出身のダラム大学に通う大学生オリビア・バートさん(20歳)、今年3月14日から行方不明になり6月3日にセント・アンドルーズのウエストサンズで遺体が発見されたダンス出身のダンカン・シムさん(19歳)、そして5月にコロンビアの滝底で死亡していたレスター出身のジョー・ティリーさん(24歳)の4人の死をFacebook上で冒涜する行為に及んだ。

オリビアさんの両親は、亡き娘のことを「売春婦」などと呼び侮辱的な画像が添えられたハインドの投稿を見た時、実際に嘔吐したほどだったという。オリビアさんの父親は「あの男は娘の死を冒涜した。吐き気がするほどのサディストだ」と怒りを露わにした。

また、ハンナさんの姉ローラさんもハインドの悪質な書き込みを「無神経で臆病」と非難し、「突然、愛する人を悲劇的な状況で失うことは、最も辛いことだというのは誰もが理解できるはずです。実際にその立場になってみないとわからないという言い訳を私は信じません。遺族がどれほど辛く耐え難い苦痛を味わっているか、考えればわかるはずです。今日のこの判決が、私たち家族や同じ目に遭わされた遺族の方々にとって、正しい制裁であったと思いたい。また今回のことが、コンピュータの陰に隠れていれば何をやってもバレないだろうとタカをくくりながら他人を誹謗中傷している者たちへの警告メッセージになればいいとも思っています。」

ハインドは動機について「注目を浴びたかった」と述べ、「本当に申し訳ないことをした」と謝罪の言葉を口にするも「精神疾患を抱えていた」と言い訳めいた供述もした。「4家族は想像を絶する悲劇に苦しんできた。被告は彼らの苦痛を引っ掻き回したのです」と話すダラム警察のリンゼイ・バンクス・ブラウン捜査官に加えて、公訴局のシャロン・エルヴス検察官は「多くの人が遺族に追悼の言葉を寄せている中で、被告は故意に残酷な書き込みや画像を送りつけ、子を失い悲しみに暮れる家族や両親の目に晒した。被告の動機は理解し難いが、この行為により引き起こされた遺族の過度の苦痛は痛ましいほど明確だ」と法廷でハインドを厳しく糾弾した。

このニュースを知った人からは、「ネットでの中傷にどれだけ家族が嫌な思いをしたことか。最低な男ね」「悪質な行為をした原因をなんでも精神疾患のせいにするな!」「こういう奴にはまたきっとしっぺ返しがいつか来る」「もっと判決が重くてもいいのでは」「こんな奴、刑務所ボコボコにされればいい!」「陰険で悪質極まりない」などといった怒りの声が相次いでいる。

画像は『BBC News 2018年11月15日付「Paul Hind jailed after trolling grieving families online」(PA)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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