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 「オン・ユア・マーク、セット、ゴー!」という言葉がある。あるいは、「レディ、ステディ、ゴー!」という言い方になる場合もある。どちらの場合も、その意味するところは同じだ。

 これは英語での「位置について、用意、ドン!」なのだ。したがって、「ゴー!」と聞こえた瞬間に、選手は一斉に走り出して、一目散にゴールを目指すのである……本来ならば。

 だがしかし、7月にイギリスノーフォーク州で行われたレースでは、選手たちはみなのんびりと、競走などまるで知らぬ気に、その場に留まっていたのであった。

 何故こうなったか?選手の顔ぶれを見れば一目瞭然。このレースは、「世界カタツムリ競走選手権」、つまり選手はみなカタツムリなのだ。

 なので、ここから先には当然ながらカタツムリの画像が登場するので、苦手な人はこの先には進まないでね。

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UK: Snail's Pace! More than 200 snails race in world championships

のったりくったり、カタツムリの競走

 レースフィールドは、湿気を含ませた特製の布だ。表面には3つの同心円が描かれている。この内側の円から外側の円までの13インチ(約33cm)の距離をカタツムリが競走するのだ。

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 といっても、カタツムリカタツムリ。「ゴー!」の声がかかった後でも、選手たちはのんびりしている。

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 あるいは向きを変えてゴールから遠ざかり、あるいは辺りを散策し始めたり、何を思ったか、ライバル選手の上によじ登る選手も。

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 観客の人間たちが熱心に応援しているのは対照的だ。

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 「ずっと楽しみにしてるのよ、参加できなかったらとてもがっかりだわ。だから、7月にはイギリスにいるようにしてるのよ、もちろんこの選手権に来るためにね」

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レースに夢中なのは人間たち


 カタツムリ競走の歴史は1960年代にまで遡る。通常、各レースはそれぞれ数分かかるが、1995年には、わずか2分という世界記録が樹立されているそうだ。

 今年は、約250匹が参戦した。人間の参加者は、主催者が用意したカタツムリの中から選んで参戦してもいいし、もちろん、自分でカタツムリを連れてくることもできる。

 ジョーウォーターフィールドさんが連れてきたのは、自宅の植木の中で見つけたカタツムリだ。

 「今朝、この子をつかまえて、よく言い聞かせました。『勝たなかったらペチャンコにしちゃうぞ』って」とジョーさん。脅しが効いたのか、ジョーさんのカタツムリは優勝した。優勝者には、新鮮なレタスがいっぱいに入った銀のジョッキが贈られる。

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 「真剣勝負ですよ」と語るのは、ジョン・マクリーンさん。「トレーニング用のスロープも作りました。栄養状態にも気をつけているし、ドーピングはしません。精鋭による競技と同じですよ」

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 カンジーの言葉に「善きことはカタツムリの速度で進む」というのがあるそうだ。であるならば是非、カタツムリ競走を全世界に広め、カタツムリに訓練を受けてもらいたい。そうして「カタツムリの速度」というものが少しでも速くなってくれたらいいな。

References: Geekology / Goodreads など / written by K.Y.K. / edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52267096.html
 

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