近藤良平率いるコンドルズが2018年12月22日(土)、23日(日)、大阪限定 クリスマス会×忘年会公演『2019年 ネオユニバース』を行う。コンドルズはメンバーが男性だけで、学ラン姿でダンス、生演奏、人形劇、映像、コントを繰り広げることで知られるダンスカンパニー。2002年より毎年大阪で公演を続け今年で17年目となり、2年前から年末12月に開催する大阪限定の特別公演は定着しつつある。近藤が合同取材に応じ公演への抱負を語った。

最初は恐かった大阪公演

取材場所はコンドルズが旗上げした原点の場所であり、近藤が今もクラスを持ち大切に教える東京・神楽坂セッションハウス。近藤にとって、いわばホームと呼べる場所のためかリラックスした様子で、終始砕けた雰囲気で取材は進んだ。

コンドルズは関東のいくつかの大学のダンス部に所属していた近藤、石渕聡らを中心に1996年に創立された。関西では京都での活動があったが、大阪で公演することになり「言葉が通じるのだろうか、笑いが通じるだろうか? とドキドキしていましたね(笑)」と振り返る。というのもコンドルズには笑いの要素があり、それが人気の要因のひとつでもあるが、お笑い文化のある大阪での反応が「恐かった」と明かす。「お笑い文化をなんとなくは分かっていたけれど肌では分からない。そこに中途半端な笑いの要素があるコンドルズが行くのは凄く危険な香りがするじゃないですか?(笑)」。

大阪進出当初は「ウケた! スベった!」と観客の反応に一喜一憂していたというが、"笑い"にとらわれず「コンドルズらしくいこう!」と腹をくくって彼らのスタイルを貫いた。するとリピーターが生まれ大阪公演は定着。「より熱く見て語ってくれる。大阪でも2世代、3世代にわたって確実にみていただいています」と胸を張る。

近藤良平

近藤良平

コンドルズのコレクションの玉手箱

コンドルズの公演名にはしばしば曲名や映画のタイトルが引用される。今回のタイトルにある「ネオユニバース」とは新しい宇宙という意味合いだが、「L'Arc-en-Ciel の曲からではありません(笑)。(キャッチコピー的に)"さらば平成"と書いているように平成最後の年末を意識して、新しい次のところへ行こういうユートピアの意味合いも込めました。まじめに考えたタイトルです(笑)」と話す。

内容については「今年釣り上げた面白いもの、夏公演を経て見えてきたものは拾い上げてやると思う」と述べつつ「ベスト版にはしない」と言い切る。「僕も50歳になりました。石渕さんも山本光二郎もオクダ(サトシ)さんも同じですが、まだ輝けるであろうということを探し、今まで見せていた僕たちと違う扱い方が見つかりました。それを今回どう生かすか。『2019年 ネオユニバース』にはコンドルズの玩具が玉手箱みたいにいっぱい入っていますが、そのコレクションが増えるきっかけになれば」。

今年で22年目を迎えるコンドルズには近年若手が増えた。「20年を経て新旧交代じゃないけれど、互いに認める形でやっているので、若手とベテランのマッチングは今年の公演から非常にいいですね」と自信を見せる。団体として目指すところは? との問いには「ダンスカンパニーで20代から50代まで含めてやっているのはあまりないスタイルなので大事にしていきたい。50歳以上ももっと輝けるようにしたいし、スズキ拓朗(CHAiroiPLIN主宰)や平原慎太郎(OrganWorks主宰)は自分の活動を行うので我々はそれをサポートできれば」と目を細めた。

近藤良平

近藤良平

大阪ならではの特別なコンドルズ体験

今年で3年目となる12月末の大阪公演には全国からファンが集い「会場でのスーツケースの預かり率が高い」(担当プロデューサー)という。またクリスマスパーティー付き指定席(20歳以上のみ購入可)は毎回完売する(本年も既に完売)。近藤は最後にこうメッセージをくれた。「全国から来ていただきたいですが、関西の皆さんにぜひ"地元に来たコンドルズ"として見ていただけると嬉しいですね。特別な場所で特別な時間を作る公演なので、初めての人も恐れずにぜひ来ていただきたいです」。

近藤良平

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取材・文・撮影=高橋森彦

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