毎週火曜日21時から放送されているドラマ『僕らは奇跡でできている』の主題歌『予感』を歌っているのが、インディーズバンドとして活躍するSUPER BEAVER。今年の4月に日本武道館公演を成功させ勢いに乗る彼らですが、ドラマの主題歌に決まったことでどのような思いを抱いたのでしょうか? メンバーである渋谷龍太さん(Vo.)、柳沢亮太さん(Gt.)、上杉研太さん(Ba.)、藤原”30才”広明さん(Dr.)に、ドラマの主題歌に決まった時の気持ちや新曲『予感』について語っていただきました。

ドラマの主題歌に決まったのは、周りの人たちのピュアな気持ちがあったからこそ

――ドラマ『僕らは奇跡でできている』の主題歌を担当すると決まったときの気持ちを教えてください。
 
渋谷:びっくりしました。「マジで取ってきてくれたんですか!」って思いましたね。

僕たちはインディーズで活動しているんですが、人とのつながりを濃く持てることがこの形態の強みだと思っています。だからこそ誰が関わってどういう経緯でいただくことができたお話か、全て分かっています。これまで密に関わってきた方々が自分たちの音楽をただ純粋に好きでいてくれて、ドラマの音楽として起用したいという気持ちから動いてくれていたことも分かっているし、その人たちの顔も浮かびます。だからポッと湧いて出た話ではないということを自分たちで把握できていた分、喜びもひとしおでした。

僕たちはメジャーにいた経験もあって、お金の流れなどいろいろなことをイメージできるので、そういう話をはねのけてでも貫き通してくださった人たちがいることが、決まった事実よりもうれしかったですね。頑張ってくれた人たちにはピュアな気持ちが間違いなくあったので、これ以上うれしいことはない、一緒に喜べる瞬間ってこういうことをいうんだなって思いました。

そして聞いてくださる人たちに「あいつらが火曜9時の主題歌をやってるの、スゲーじゃん」と感じていただけることもそのときに予期できたので、めちゃくちゃうれしかったです。


――今回の曲の作詞作曲はどのように進められたんでしょうか?

柳沢:今回はドラマへの書き下ろしということで曲を書かせていただきました。ドラマの主題歌なので、話とリンクする部分や寄り添う部分がゼロではダメだと思いますが、逆に寄り添っただけでいいわけではないと思っています。僕らはこれまでも自分たちの意思や、自分たちが歩む中で感じたことを歌にしてきたバンドなので、ドラマの話と自分たちが今歌いたいことのどこが結びつくんだろうという部分は、最初に意識しました。


――ドラマの制作陣から曲に関するリクエストはありましたか? 

柳沢:ありがたいことに、このフレーズや言葉を入れてくださいというような具体的なリクエストは無かったですね。もともとSUPER BEAVERの音楽を聞いてくれているスタッフの方々が担当されていたので、ある意味信頼してくださった部分はあったのかなと思います。

例えばちょっと疾走感がある感じがいいとか、イントロがあったほうがいいなどのお話はあったんですが、応えられる部分は応えたいなと思いましたし、そう思わせてくれたのはどういう経緯で今回のお話をくださったかという理由があったからだと思います。基本的には今SUPER BEAVERが歌いたいこと、表現したい方法での表現を素直にできたと思います。


―― 楽曲制作はどのくらいの期間で行われましたか? 

柳沢:お話をいただいてからは結構早かったかな。元となるデモ音源を作ったのは1~2週間くらいです。そこからドラマの制作サイドの人に聞いていただいて、そこから具体的なアレンジについて話を進めていきました。

『予感』のデモ音源を聞いたメンバー全員が「いい曲だな」と感じた

――作曲される上で意識されたことはありますか? 

柳沢:今回ドラマを通じて、ある意味半強制的に僕らのことを知らない人の耳にも曲を届けることができるので、印象に残る部分・口ずさめる部分があったらいいなというイメージは最初から頭の中にありました。自分がいち視聴者として何の気なしに見ているドラマの楽曲を口ずさんでいるときは、たぶんそこが印象に残っているからだと思うんです。だから無意識に頭に残るようなフレーズがあったらいいなと思いながら作りました。


――『予感』もそうですが、日本語の歌詞に対するこだわりはありますか? 

柳沢:気付いたらずっと日本語で作っていますね。今となっては割と自然なことになっているんですけど、思い返してみると、1回聞いたときに歌詞カードを見なくても何を言っているのかが伝わるようにしたかったっていうのはありますね。


―― デモ音源を聞いたときの、皆さんの印象はいかがでしたか? 

渋谷:いい曲だなって。最初にメロディーと歌詞を聞いたときに、いい曲だと思えることはとっても大事なことなんですよ。僕たちがその曲をいいと思えないことには、作り込んでいったところで良くはならないからです。まずは「柳、すごいね。いい曲だね」っていえる状態がバンドとしてとてもピュアで健全な状態だと思うので、初めて聞いたときにいい曲だと思えたことは大きいことでしたね。

上杉:同じく、いい曲だなって(笑)。もし誰か一人が悪い曲だと思ったら進行しないんですよね。自分たちが作るものを、最初に自分たち自身が感動できなかったら元も子もないんですよ。最初に自分たちが感動できたからこそ、ちゃんと人にも届くのかなと思いますね。

藤原:僕もいい曲だなって(笑)。いい曲じゃないと思ったことは今までなかったんですけど、今回はデモを聞いてすぐアレンジを考え出していた感じでしたね。

曲のアレンジはそれぞれが考え、「せーの」で合わせてみる

――アレンジはデモ音源を聞いて、すぐに考え始めるものですか? 

渋谷:最初に聞くときは、リスナーとしてフラットに聞きますね。自分が歌うんだったらこうしようと考え始めるのは、後回しにしています。

上杉:人によるとは思うんですけど、自分の中にその曲を落とし込んで、もっと抑揚つけたいと思った部分をベースで弾いたり、柳沢が弾いていない残りのギターフレーズをベースで弾いてみようとしたり。あるものの中での組み合わせをプラスマイナスして弾いてみる感じですね。『予感』の場合、フレーズはある程度浮かびやすかったかもしれないです。

藤原:デモを聞くとき、最初の1回はリスナーの感覚で聞きますね。でも2回目からはアレンジをイメージしながら聞きます。今回はイメージし始めるのが早かったと思いますね。もともと柳沢から4つ打ちのイメージでという話は聞いていたので、その前提でアレンジを考えていきました。


――楽曲のアレンジはどういうふうに決めていかれますか? 

柳沢:基本的には僕が弾き語りのちょっとパワーアップしたようなデモをみんなに送って、細かいドラムやベースのフレーズは基本的にお任せしています。その後各々が考えたフレーズのアイデアをスタジオでせーので出してみるんですけど、そのときにはみんなが持ち寄ったアイデアを1回広げてみて、足し引きしながら少しずつ構築していく感じです。

でもみんなが向いている大枠の方向は最初から近いと思います。例えばライブでこういう風に楽しめる曲にしたいとか、じっくり聞かせる曲を作りたいとか、日々曲に関してはメンバー全員に言語化して伝えているところもあるので、出したアレンジが大きく違っていることはあまりないです。基本的には歌と音楽を届けたいという気持ちが根底にあるので、どういう届け方をするのかという部分が僕ら楽器陣のアレンジかなと思います。



アーティストにとってドラマの主題歌に起用されることはうれしいことだと思いますが、それ以上に動いてくれたまわりの人たちのピュアな気持ちへの感謝を語る皆さんのお話はとても心に響きました。

新曲『予感』は心地良いコーラスが耳に残り、思わず口ずさんでしまうとても素敵な曲です。ぜひ皆さんも聞いてみてはいかがでしょうか。


【 SUPER BEAVER(スーパービーバー)】
http://super-beaver.com/
渋谷龍太(Vo.)、柳沢亮太(Gt.)、上杉研太(Ba.)、藤原”30才”広明(Dr.)によって結成された、東京出身4人組ロックバンド。メジャーデビューから自主レーベル設立まで様々な経験をしつつも、現在のレーベル[NOiD]に所属してから人気が再熱。2017年9月6日にミニアルバム「真ん中のこと」をリリースし、オリコン初登場6位を記録。昨年はボーカルの渋谷龍太が、ニッポン放送オールナイトニッポン ZERO」のパーソナリティを1年間担当。2018年4月30日には、日本武道館での単独公演を開催し、即完売で約10,000人を魅了した。同年6月30日には2年ぶりとなるフルアルバム「歓声前夜」をリリースし、全国ツアーは全箇所最大キャパシティで開催し、全公演即日完売。インディーズバンドながら、カンテレフジテレビ系10月連続ドラマ「僕らは奇跡でできている」の主題歌に抜擢されるなど勢いを増している。


【 New Single 】

1, 予感
2, まごころ
発売日:2018年11月21日(水)
価格:¥1,000(+tax)
発売元:[NOiD] / murffin discs
販売元:Japan Music System

【SUPER BEAVER『予感』MV】