11月18日『林先生が驚く初耳学!』(TBS系)で、林修氏は「子供の学力は母親の学歴で決まる」と発言した。林氏は文部科学省が発表した、親の学歴と中学3年生の数学の問題の正答率に関するデータを紹介する。

「高卒父親」の場合、正答率は44.1%だが、「大卒父親」だと56.5%。「高卒母親」では43.3%で、「大卒母親」は60.0%であり、「これを見ると、母親の学歴のほうが父親の学歴よりも、子供の学力に関係がより深い、という言い方ができます」とまとめた。(文:石川祐介)

「いわゆる"知性"に関わっている遺伝子は、母から子に受け継がれた時のみ機能」?


画像は番組公式サイトのキャプチャ

母親の学歴のほうが、子供の学力に影響を与える理由を林氏はこのように語る。

「衝撃的な学説をアメリカの研究者が発表しました。それは頭の良さは母親からしか遺伝子しない」

その研究結果によると「父親の遺伝子は人間の脳のどのあたりに蓄積するかと言うと、大脳辺縁系というところに受け継がれやすい」のだそう。父親の遺伝子は大脳辺縁系という、気分や本能を司り、攻撃性を制御する脳部位に影響するという。

一方、母親の遺伝子は、記憶、思考、音声、知覚などの認知機能を司る大脳皮質に影響する。「いわゆる"知性"に関わっている遺伝子は、母から子に受け継がれた時のみ機能する」と語った。

家に本が何冊あるかも学力に影響

さらに、子供の学力に影響する他の要因について話し始める林氏。

「実は、お父さんの帰宅時間と子供の学力に関するデータも、これまた文科省が発表したんです。それが父親は深夜帰宅、母親は専業主婦の方が、子供の学力が高い」

林氏は父親の帰宅時間と子どもの学力テストの成績が示されたグラフを出し、「お父さんの帰り時間が遅ければ遅いほど、それに比例して国語も算数も点数が上がっている」と紹介。帰宅時間が16~18時の場合、国語の点数は約70点だが、22時以降だと約80点まで上昇した。

続いて、女性の帰宅時間と学力の相関グラフでは、男性とは真逆で、帰宅時間が早いほど子供の学力テストの成績が上がる。「ある名門の中高一貫校に通っている生徒のうち、75%が専業主婦というデータもあるそうです」と語った。

林氏はこの理由について、「帰りが遅くなるお父さん高学歴、高収入で忙しく働いている可能性が高く、教育費を捻り出せる」と解説。「父親は深夜帰宅、母親は専業主婦」ということではなく、「高収入世帯」であることが主な要因のようだ。

ただ、「文科省の報告にも、学歴や年収が高くない世帯であっても、日常生活で本や新聞を親しんで、規則正しい生活を送っている家庭の子供は好成績の傾向が顕著である」と親の学歴や世帯収入に関係なく、子供の学力を向上することは可能だと話す。

さらに、「家に何冊、本があるか」という質問で、0~10冊の世帯の子供の数学の正答率は55%だったが、501冊以上だと75.7%まで上昇することにも触れ、子供に読書習慣を根付かせる大切さも語った。