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あまりにも大胆で乱暴な誘拐劇が監視カメラに映っていた。銃を突きつけられて抵抗できない女性2人が、無理やり車に連れ込まれたのだ。幸いなことに2人とも命に別状はなく無事に解放されたものの、被害女性は犯人の不可解な行動に恐怖よりもただ混乱しているという。

現場は南アフリカヨハネスブルグセンチュリオン(Centurion)というエリアの複合住宅地で、11月14日午後4時半というまだ日の暮れていない時間に起こった。

監視カメラには、白のメルセデスベンツが先に停まっていたフォルクスワーゲンに近づいてから立ち去るまでの一部始終が映っている。あるアパートのゲート手前で停まったフォルクスワーゲンの中からひとりの女性が降りてきた。すると後ろからメルセデスベンツが近づき、車から出てきた4人の男が銃で脅して、フォルクスワーゲンに乗っていた女性2人を引っ張り出した。ひとりの女性は手をつかまれてズルズルと引っ張られ、メルセデスベンツの後部座席に押し込まれた。もうひとりの女性も手をつかまれて、トランクへ入れられた。しかし女性がトランクにフィットしなかったのか、ドアはなかなか閉まらない。結局犯人のメルセデスベンツはトランクのドアを開けたまま逃走した。その間、犯人の1人がフォルクスワーゲンに乗って走り去っている。

誘拐された女性はチャリティ・ンズザさんとその友人で、ンズザさんはリーガプロフェッションチーム「the National Forum on the Legal Profession」という法人会社の最高責任者である。

幸運にも誘拐から数分後にンズザさんの友人は誘拐された場所から20キロほど離れたミッドランド(Midland)で解放され、ンズザさんは翌朝1時半に現場から60キロ離れたシティディープ(City Deep)という町のガソリンスタンドで解放された。またンズザさんの車は、ヨハネスブルグで乗り捨てられているのが発見された。

翌日、ンズザさんは『News24』のインタビューに答えている。ンズザさんによると、犯人らは彼女の名前を知っており「チャリティ、一緒に来るんだ」と突如言ってくると、もめているうちにンズザさんらを車に乗せたという。

「怖かったけれど、とても混乱していたの。(犯人が私の)名前を知っていたから。これは単なる誘拐犯ではなく、誰かが私を特定して狙っていたんだと分かったわ」と語っている。そこからジャケットで顔を隠されて、2時間ほど車で走った。

車中の彼らの会話から、誘拐犯は「マダラ(Madala)」という人物から指示を受けているようだった。犯人らは「心配いらない、欲しいものをくれたら大丈夫だから、殺さないから」とンズザさんに伝えた。車を変えてさらに連れ回された場所で、他の男らと合流。そのグループはンズザさんのパソコンを持っていた。

彼らはンズザさんにパソコンを渡すと、8千万ランド(約6億4千万円)を要求してきた。彼女のパソコンで財務諸表を見たからだ。彼らはンズザさんが会社のトップゆえ、何千万、何億ものお金を簡単に動かすことができると思っていたようだ。そこで彼女は「最高責任者とはいえ、私はお金を動かす権力は持っていない」と何度も言ったが、犯人たちは信じなかった。

男らは、ボス「マダラ」に指示を仰ぐため連絡、45分後に戻ってくると、再び会社のお金を動かすようンズザさんに迫った。ンズザさんは「会社のお金を移すことは不可能だから、代わりに銀行カードと暗証番号を教える」と訴えたが、彼らが欲しいのはあくまで会社の金と主張した。犯人らは「子供たちのための金が欲しい」と言っていたそうだ。

結局、ンズザさんの言葉を信じる者と信じない者とが口論をはじめ、仲間割れの末に何人かが彼女の現金を下ろすために出て行った。お金は2回にわたり下ろされていた。

待っている間、残っていた犯人たちはンズザさんを3日間監視していたと告白。やや打ち解けてきたのか様々なことを語り出し、首謀者である「マダラ」が誰かを教えようとまでした。お金を下ろしに行っていた仲間が戻り、翌朝1時半にンズザさんは解放された。

ンズザさんを解放する際、彼らは「非常にすまない」と詫びてきたという。しかしンズザさんの貴重品を奪うかどうかという点で、彼らの中でまたひと悶着があった。その結果、パソコンは返してもらえたが携帯とiPadは持っていかれた。

一時は殺されるかと恐怖を味わったンズザさんだったが、無事戻ってこられたことに安堵し、今となっては「なぜこんなことが起こったのか、誰が背後にいたのか」などただ混乱しているようだ。

画像は『Multimedia LIVE 2018年11月14日公開 YouTube「Lawyer and friend hijacked and kidnapped outside complex」』のサムネイル
(TechinsightJapan編集部 FLYNN

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