ウールが現在のスペイン代表を説明「ミスを改善する必要があるが、成長している」

 スペイン代表はロシアワールドカップ(W杯)ベスト16敗退後、ルイス・エンリケ監督体制で再出発している。かつての世界王者は世代交代を進める一方で、世界に君臨した“シャビイニエスタ”時代の幻影を振り払うのに必死だ。スペイン紙「マルカ」によると、現在中盤の主軸を務めるMFサウール・ニゲス(アトレチコ・マドリード)が二人のいた時代との違いについて言及している。

 スペインは今夏から新設されたUEFAネーションズリーグ(NL)初戦のイングランド戦を2-1、2戦目のクロアチア戦を6-0と連勝して“無敵艦隊”復活を予感させた。しかし10月、11月の再戦ではともに2-3で敗れ、かつての強さはまだ取り戻せていないことが明確になった。

「僕らは最初の2試合で気持ちを高ぶらせたけど、直近の2試合で現実に引き戻されたよ。ミスを改善しつつ分析する必要があるが、チームは成長しているよ」

 現地時間18日のボスニア・ヘルツェゴビナ戦(1-0)を前日会見でサウールはこう話していた。そのなかで記者から質問を受けたのはMFアンドレス・イニエスタ(現ヴィッセル神戸)とMFシャビ(現アル・サッド)らがいた時代との比較だ。


「もし僕らが比べられるようなことがあれば、何かをなくしたような気分になる」

 バルサコンビを軸にしたポゼッションスタイルで、初のW杯制覇に欧州選手権連覇を成し遂げた黄金時代はロシアW杯でのイニエスタの代表引退で幕を閉じる形になった。そして、サウールたちにも思うことがあるようだ。

「もし僕らが比べられるようなことがあれば、何かをなくしたような気分になる。彼らがしてきたこと、どうやってきたか、あの世代は反復不可能なものなんだ。勝利が止まるまで、人々はチームに誇りを持っていた。僕たちもそのために戦う」

 サウールはさらに、「スタイルは選手たちが見せるもので、要求されることは好きだよ。可能性は多いわけだし、皆さんにはベストのものを求めてほしいと思うよ」とも話している。

 縦への速さを追求するルイス・エンリケ監督の下、新たなスペイン像を作り上げられるのか。無敵艦隊再建は少しずつ進めることになりそうだ。


Football ZONE web編集部)

現在中盤の主軸を務めるMFサウール・ニゲス【写真:Getty Images】