女優の新垣結衣さんと俳優の松田龍平さんがダブル主演する、日本テレビ系連続ドラマ「獣になれない私たち」(毎週水曜 後10:00)。新垣さん演じるECサイト制作会社員・晶は、会社で仕事を押し付けられ、恋人の京谷(田中圭さん)との関係はギクシャクし、心身共に追い詰められていきます。しかし、行きつけのクラフトビール店で知り合った、冷静で毒舌の会計士・恒星(松田さん)にだけは、本音を話すようになります。

 11月14日放送の第6話では、京谷と呉羽(菊地凛子さん)の浮気を知った晶が、呉羽に自分の感情をさらけ出すシーンが描かれました。一方、その場に偶然居合わせた恒星は、呉羽が恒星と別れ、別の男性と結婚を決めた本当の理由を耳にし…という展開でした。

 ダブル主演の新垣さんと松田さんは、2007年公開の映画「恋するマドリ」以来11年ぶりの共演ですが、ドラマでは息ぴったりの演技を披露。また、互いに醸し出すニュートラルな雰囲気が視聴者を魅了し、SNS上では、「演技にくぎ付け」「ガッキーに共感できる」「松田龍平さん人間味ありすぎ」などの声が上がっています。

 そんな新垣さんについて、同ドラマで演出を務める水田伸生監督はこう話します。

「笑顔が印象的で、『ガッキー』として親しまれていますが、女優として高いポテンシャルがあり、いろいろな表現ができる素材です。頭がいい方で、脚本の意図を取り違えない読解力があり、誠実さ、勤勉さ、人生に対して真っすぐであることが、晶という役にリアリティーを与えています。故に、共感が生まれるのです」

 一方、松田さんの魅力は「脚本家が台本に書ききれていない部分」にあるといいます。

「役を演じることに加えて、松田龍平という人間としての“ふくよかさ”がこぼれ出ています。恒星という役が“松田龍平”を通過することで、龍平くんの持つ価値観やユーモア、優しさ、包容力がポロッと出てくる。それは間違いなくリアルであり、視聴者は持っていかれてしまうのだと思います」

 クランクインからぎこちなさがなく、相性が良かったという新垣さんと松田さん。水田さんが最も印象に残っているのは、第4話で二人がベッドに横たわり、至近距離で会話をするシーンだといいます。

「恋愛感情はなく、でも、お互いの心に空いた穴を埋め合うかのように、男女の距離間になっていくシーンなのですが、お互いを思いやるところを表現できていました。至近距離でもセクシャルにならない。あの瞬間は“友情”と捉えて撮っています。ベッドで男女の関係にならなくても不自然ではないのは、友情に近づいていたからです」

 今後、晶と恒星の友情関係は恋愛に発展するのか、先の読めない展開とともに、男女の微妙な距離間を表現する二人の演技が注目されます。

オトナンサー編集部

「獣になれない私たち」に出演する松田龍平さんと新垣結衣さん(C)日本テレビ