風邪をひくと喘息の発作が出る5歳児についての質問です。小児科で処方され毎日飲んでいる薬の副作用について、また喘息が治る生活習慣について、専門家はなんとアドバイスしているでしょうか。



5歳児のママからの相談:「小児喘息について」


5歳の娘ですが、赤ちゃんの頃は喘息の発作はなく風邪もひかない強い子だと思っていましたが、去年ヒトメタニューモウイルスを患ってから喘息の発作が出るようになってしまいました。風邪の引き始めから喘鳴が出るようになり、風邪が完璧に治るまでの数週間は常に喘鳴が聞こえます。通っている小児科では、毎日寝る前に飲む薬を処方されていますが、こんなに飲み続けていても将来的な副作用はないのでしょうか。また、喘息が治る生活習慣などあるのでしょうか。(30代・女性)




毎日飲んでいるのは喘息発作を予防する薬

毎日飲むよう処方されているのは、副作用の心配がほとんどない発作予防薬であるようです。




『喘息の薬には発作を止める薬と、発作を予防する薬の2種類があります。喘息発作が起きたあとに使う発作を止める薬は、即効性がありますが使い過ぎにより副作用が生じやすいと言われています。一方発作が起きていないときに定期的に使う、喘息発作を予防する薬は、副作用の心配はほとんどなく安全性の高い薬であると言われています。(看護師)』





『発作が起きていないのに長期的に薬を飲ませ続けるのには抵抗があるかもしれませんが、喘息を悪化させないようにするためには発作の予防薬を医師の指示に従いきちんと飲み続けることが大切です。(看護師)』





『喘息の人の気道は、発作が起きていない時でも表面がやけどのようにただれていたり、むくんでいたりするような状態で、刺激に弱くなっています。慢性炎症という状態です。慢性炎症を放置すると、少しの刺激で発作を繰り返し、気道が元の状態に治らなくなってしまいます。この慢性炎症を治療するのが喘息発作の予防薬なのです。(看護師)』





『慢性炎症が治ってしまったかという判断は難しく、一般的には咳がでず呼吸機能も安定した状態が3ヶ月以上続いた場合に薬の量を減らすことを考えるようです。医師の判断によりますが薬の内服は1~2年と長期にわたって継続する必要があります。(看護師)』





副作用が気になるようでしたら、喘鳴が起こる時をメモに書いて、かかりつけの先生に相談をしてみてください。薬の副作用よりも、薬を飲まなくなったことで起こる喘息発作の方が命に危険を及ぼします。副作用について良く理解した上で、納得して薬を飲み続けられると良いですね。(看護師)』




喘息の起こりにくい住居環境を整えよう

部屋の湿度調整や、室内に置いてはいけないものなどについて、詳しくアドバイスがありました。自律神経を整えることも大切であるようです。




『喘息を改善するため(症状を最小限にするため)には、住居環境が重要です。まず、空気が乾燥しないように湿度に注意しましょう。ただし、加湿しすぎるとカビの発生やダニの繁殖を助長するので注意しましょう。(看護師)』





『ホコリやダニ・カビは喘息にとって大敵です。ホコリやダニを集めてしまうもの(ぬいぐるみ・カーペットクッションなど)は部屋に置かないようにし、こまめに掃除をするようにしましょう。また、空気を清浄化してくれる観葉植物は、ホコリがたまり易く、土にカビが生える可能性もあるため室内には置かないようにしましょう。(看護師)』





『喘息発作を起こす危険因子には、タバコや花火などの煙や、ハウスダスト、ペットの毛、花粉などです。掃除をこまめにして、煙の多いところは避けるようにすると喘息を悪化させることなく過ごすことができるようになります。風邪を引いてしまうとどうしても悪化してしまうので、そのような時に使える吸入薬などを前もって先生に処方してもらうようにしましょう。(看護師)』





『喘息は自律神経と密接に関わります。寝不足やストレス・疲労などにより自律神経が乱れることでも喘息発作を誘発しますので、十分な睡眠と休息を確保するようにしましょう。(看護師)』





『喘息がある場合の生活習慣については病院や市町村にパンフレットがありますので細かい内容まで目を通していただくのがおすすめです。また、日本アレルギー協会や環境再生保全機構などといった大きな団体のホームページからパンフレットをダウンロードできるようになっていますのでご覧になってみてください。(看護師)』




毎日飲むよう処方されている発作予防薬は、副作用の心配がほとんどないとされており、これをきちんと飲むことで、副作用の起こりやすい発作を止める薬を使わずに済むということでした。喘息が治りやすい生活習慣としては、主に住居環境を整えることと、自律神経を整えることが勧められています。



参考文献
独立行政法人 環境再生保全機構
小児科アレルギー科 ゆら小児科クリニック



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