ライフスタイルを充実させるために、小屋をセルフビルドする人が近年増えてきたようです。

小屋といっても、その種類は様々。

自分の趣味の部屋にする、あこがれのカフェを1人で経営する、パーティールームにしてバーベキューをするなど、目的や広さ、費用は一様ではありません。

そんな「小屋」を作るときの注意点をお知らせします。

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1. 小屋も「建築物」。建築確認申請が必要な場合がある

小屋
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日本で建物を建てるときは、「建築基準法」という法律を守らなくてはなりません。

この法律によると、「小屋」という区別ありません。壁、屋根、柱があれば、住宅と一緒。建築物と判断されます。

知らない間に法令違反になるケースがある

小屋を建てる際に必要な部材一式をセットで販売する「小屋キット」が販売され、手軽に小屋を建てられるようになってきましたが、知らない間に法令に違反している場合があるので、事前に確認しておきましょう。

建築物は、10平方メートルを超えると、原則、建築確認申請という手続きを行う必要があります。

これは、自治体が竣工時に書類に沿って建築されているかどうか、審査する手続きです。通過した場合、検査済証を発行します。

そのために、まずはどこに、どのくらいの大きさの小屋を作りたいのかをはっきりさせましょう。

確認申請要否のためのチェック事項

  1. 小屋は「10平方メートル」を超えるかどうか
  2. 「都市計画区域」「都市計画区域外」、どちらに所在しているか
  3. 更地に小屋のみを新築するのか、母屋が建っている場所に小屋を増築をするのか
  4. 小屋を建てる場所は、防火地域・準防火地域か、それ以外か
  5. 土地の用途地域は「無指定」か

これらの条件から判断し、必要ならば、建築確認申請を行います。確認申請が必要かどうかの判断は、様々な要素が重なり合うために、自分で判断するのは危険です。

必ず自治体の窓口に行って確認をとりましょう。

 

2. 建築確認申請が不要でも固定資産税がかかるケースがある

小屋
Graphs / PIXTA(ピクスタ)

建築確認申請と固定資産税は、別の次元で考えるべきです。建築確認申請が不要でも固定資産税がかかる場合があるのです。

確認申請は建築基準法に基づくもので、自治体の管轄となっています。

いっぽう、固定資産税は税務署の管轄となります。2つの相関関係はないのです。

固定資産がかかるかどうかのチェック事項

固定資産税は、以下のすべての事項に当てはまった場合のみ、課税されます。

  1. 土地への定着性があるか
  2. 外気の遮断性(雨風をしのげるか)
  3. 居住、作業、貯蔵などに利用できるか
  4. 免税点未満であるか
小屋
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小屋を建てる目的は、居住、作業、貯蔵であり、雨風をしのぐためです。

そのため、すべての小屋は2と3に該当します。「土地への定着性」とは、建物の基礎を作ったかどうかということです。

ブロックなど、簡単なものの上に置かれている場合は「構築物」といい、区別をしています。

固定資産税は、同一所有者の物件すべての合計の課税標準額が基準となります。

家屋の場合、20万円未満であれば「免税点未満」になり、非課税になります。

 

固定資産税に関する注意点は?

ブロック
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基礎をつくらなければ、固定資産税がかからないと思って、ブロックなどの上に小屋をつくる人がいます。

作業工程も簡単になりますが、地震などの自然災害が起こったときに、安全性に欠ける可能性があります。

基礎の種類や緊結方法、かかる力の逃がし方などにより、住宅自体の強度にも影響します。

安易に考えると事故につながりますので、専門家に相談するなどして、基礎を作るかどうかを十分に検討する必要があります。

 

トレーラーハウスに固定資産税はかからない

トレーラーハウス
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トレーラーハウスは、自動車扱いとなりますので、固定資産税はかかりません。

トレーラハウスであるための条件は、以下の4つです。

  1. 法律的に自動車である事
  2. 使用期限があること
  3. 給排水、電気などライフラインが脱着可能な事
  4. 随時移動できる状態に置かれている事

公道を法律的に走行でき、ブレーキ設備、耐荷重他、安全基準をクリアしたものが、トレーラーハウスの定義です。

不動産ではないため、随時移動でき、一定場所に保管はできません。あくまで、一時的利用に限られます。

給排水、電気などのライフラインが脱着可能な事も条件です。

ライフラインが固定して接続されてしまうと、移動が不可能となってしまうからです。

 

3. まとめ

小屋
ふるさと探訪倶楽部 / PIXTA(ピクスタ)

小屋は、車1台分くらいの費用とスペースがあれば手に入れることができる楽しい空間です。

せっかく建てたのに、知らないうちに法令違反になり、いやな思いをしないよう、念入りに調査しましょう。

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