近年は怪我に苦しむも、今季リーグ戦全試合に出場して8得点3アシストとチームを牽引

 ドルトムントドイツ代表FWマルコ・ロイスはここまでリーグ戦8得点3アシストを記録し、キャプテンとして首位を走るチームを牽引している。ブンデスリーガ公式サイトが、「ドルトムントマルコ・ロイスは史上最高のプレーをしている?」との見出しで特集した。

 ドルトムントの下部組織で育ったロイスだが、ブレイクのきっかけをつかんだのは2009年に加入したボルシアMG時代。2011-12シーズンには現ドルトムント指揮官でもあるルシアン・ファブレ監督の下でキャリアハイの18得点を決めている。その活躍が認められ、12年にドルトムントに移籍した。

 そして、ドルトムントでは1年目にいきなりUEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝進出に貢献。ドイツでも屈指のテクニシャンは一躍、世界的な評価を手にした。ブンデスリーガ公式サイトではこの当時の活躍が「ロイス1.0」、絶好調の現在が「ロイス2.0」と紹介されているように、ドルトムントでエポックメイキングなシーズンを過ごしてきた。

 今季のロイスが史上最高と称される理由はいくつかあるだろうが、まず特筆すべきはその圧巻のプレーパフォーマンスだ。開幕から11試合連続でスタメン出場し、8得点3アシストを記録。実に79分間に1回のペースで得点に関与しているというスタッツも残っている。

 二つ目は取り戻した継続性だ。ここ数年は負傷に悩まされてコンスタントピッチに立つことができず、2014年ブラジルW杯や16年欧州選手権も棒に振ったことはまだ記憶に新しい。しかし、今季の出場時間はここまでで952分間でチーム最多。ついに“ガラスの天才”からの脱却を果たしている。

新加入のアルカセルがロイスの陰の貢献ぶりを証言「溶け込めるよう助けてくれた」

 そして、キャプテンとして躍動するその姿が、チーム全体に大きな影響を与えている点も見逃せない。新加入ながらゴールを量産しているスペイン代表FWパコ・アルカセルは「マルコ・ロイスはチームに溶け込めるようとても助けてくれた。ピッチ上でも、試合中でもね」とその存在の大きさを主張している。29歳となり、チームを牽引する様には風格が漂う。

 ロイスの活躍もあり、ドルトムントは6連覇中の王者バイエルンとの直接対決(3-2/ロイスが2得点)を制するなどリーグ首位を快走している。

 少し気は早いが、ユルゲン・クロップ監督時代の2011-12シーズン以来となるリーグタイトル獲得も期待させる充実ぶり。そのなかで輝く“史上最高”のロイスはチームを栄冠に導くことができるのか。今後の活躍からも目が離せない。(Football ZONE web編集部)

キャプテンとして首位を走るチームを牽引しているロイス【写真:Getty Images】