「次いつ空いてるの? 予定合わせるからさ、会おうよ」
「君にぴったりの花っていったら、やっぱりバラがふさわしいと思ってさ」
「俺、こんなに人のこと好きになったの初めてかも」
押して、押して、押しまくる。いまどきここまで強気な彼ってそういない。LINEには笑わせてくれるようなネタ画像を送ってくれたり、落ち込んでいたら仕事を投げ出してきてくれたり。ベタだけど夜景の見えるレストランで、ジュエリーをもらうのってやっぱりうれしい。そういう夢をかなえてくれる彼を、ヤケドしそうなほどに熱い「アップルパイ男子」と呼びませんか。
扉を開けてくれて、荷物を持ってくれて、一番いいソファー席に座らせてくれる。「ねえ、メニューこれでいい? あ、でもこのあとデザートも食べたいよね。そしたら量減らそうか」と女心をわかったメニュー確認。それが「当たり前」な彼のふるまい。身も心も燃えてしまいそうなほど、甘くとろけてしまいそう。
けれど気をつけて。その振る舞いは、ほかの女から教わったはずだから。彼は人一倍、女性遍歴も多いと見たほうがいいですよ。彼は手に入れた女を、長くは大事にできない人。おいしい果実を食べつくしたあと、アップルパイに残るのは湿った生地だけ。彼を味わうならお早めに。そして味わい尽くしたら、楽園からは潔く去りましょう。
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