百貨店クリスマスケーキの予約は10月にスタート。数も多く、迷いすぎてなかなか予約ができないという人も多いはず。そこで、流行のスタイルや人気のケーキなど、各店に最新事情を聞いてみた。<※情報は関西ウォーカー(2018年11月20日発売号)より>

【写真を見る】5万4000円のクリスマスケーキ、ポアール「サンタクロースからの贈り物」。職人手作りのショコラ細工で夢いっぱいに演出/あべのハルカス近鉄本店

■ 装飾や形に工夫いろいろ、フォトジェニックが進化!

各店に聞いた最近の傾向は、「ビジュアルを意識したケーキが増えています」(阪急うめだ本店)、「カラフルで華やかな傾向にあります」(あべのハルカス近鉄本店)、「よりインスタ映えする商品が増えました」(大丸 心斎橋店)とのこと。どの店舗でも見た目の美しさにこだわるケーキが増えたよう。

さらに「彩り鮮やか。また形状などの変化に富んでいます」(阪神梅田本店)、「普段見かけない、立体的なデザインが増えています」(大阪タカシマヤ)と、装飾だけでなく形状にひと工夫ある商品が、特に今年の特徴と言えそう。

アローツリーの「クリスマスあまおうKINGタルト」(阪神梅田本店)のような、タルトの上にデコレーションケーキをのせたスタイルも今年多い形。

ほか、ポアールの「サンタクロースからの贈り物」(あべのハルカス近鉄本店)のようにショコラ細工で演出するものや、クリームやチョコレートを表面にたっぷりと絞って立体的に見せるケーキもさまざまなブランドから登場。

ショートケーキイチゴの断面をあえて見せるものや、コカルドの「クリスマスカーニバル4号」(阪神梅田本店)のようなカットした断面が色とりどりだったり、レインボーカラーになったものも“進化系フォトジェニック”の一つだ。ルワンジュ東京「ヌヌースノエル2018」(大丸 心斎橋店)のような3Dケーキも人気を呼んでいる。

■ パティシエが手がける技が光る白デコレーション

阪急うめだ本店フォトジェニックという言葉をカタログに使用したのは2015年から。その後、インスタ映えなどの言葉も生まれ、ビジュアルを意識したケーキは、昨年には当たり前のように多くのブランドに広がった。

同時に、白いクリームで飾り付けられたデコレーションケーキの“白デコ”も外せないスタイルで、「一番売れるのも白クリームイチゴの王道タイプです」(阪神梅田本店)と言う。阪急うめだ本店では昨年より取扱ブランド数を増やしたが、それは、お客の要望で白クリームの王道タイプを増やしたそう。「おすすめは実力派パティシエが作る、白デコケーキ」(阪急うめだ本店)。

パティスリー・エス「ブランデリス」(阪急うめだ本店)は、細い線が引ける口金を使用し、流れるようなラインを描いた、シェフの技が光る見た目にも美しいケーキ。王道の白デコながら見た目の美しさにこだわったケーキは、ファミリーや女子会など、幅広い年齢、状況に対応できるようだ。

■ 次は味の変化を楽しむものやラグジュアリー系が人気に

人気上昇中なのが、“ラグジュアリー系”。現在までに予約が好評なブランドやタイプなどを聞くと「ラグジュアリー系がよく売れています」(あべのハルカス近鉄本店)、「海外ブランドのチョコレートケーキや高価格帯でフルーツをふんだんに使ったケーキが人気です」(大阪タカシマヤ)という声が。

あべのハルカス近鉄本店では、ブランドにオリジナルケーキを発注する際に「上質感、プレミアム感を楽しんでもらいたい」とラグジュアリーなケーキをオーダー。スイーツ好きの人に好評を得ているようだ。

また、阪急うめだ本店では、味や見た目の変化を楽しめるようなケーキの人気が出るのではと語る。それが、セイイチロウ ニシゾノの「フレシュール」。水出しコーヒーとリュバーブのソースが入ったスポイトが付いていて、仕上げにソースをかけることができる。ほか、味の違う小さなケーキがセットになったハッピークリスマスケーキシリーズも「女子会に人気で、年々ブランドも増えています」(阪急うめだ本店)と注目されている。

さまざまな人や状況に対応して種類豊富になってきたクリスマスケーキ。用途に合わせて複数予約するのもおすすめかも!

■ 数字で見るヒットのポイント

【約120種類】阪急うめだ本店で企画したクリスマスケーキの種類。昨年より東京や名古屋などの遠方のブランドも加わり、選択肢が増えた。

10月13日阪急うめだ本店クリスマスケーキ予約受付の初日。この日に販売数の2割ほどが売れる。1日1個ずつ受取指定をし、種類を楽しむ人も多い。

【5万4000円】あべのハルカス近鉄本店で扱っているポアールのケーキの価格。パティシエ歴30年の職人が8時間かけて1台完成する大作。

■ 今回お話を聞いた百貨店

阪急うめだ本店洋菓子バイヤーの中塚比呂記さん】「東京など普段は食べられないお店のケーキもあります。関西のブランドでもこの季節だけのケーキも多いので、食べ比べるチャンス!ぜひ1個といわず2個、3個とご予約ください」

阪急うめだ本店クリスマスケーキDATA/予約・受取:店、商品により異なる 種類:55ブランド約120種 ※10月初旬の情報 新登場:アニバーサリー、カフェタナカ、ショコラトリパティスリソソリテなど9ブランド

阪神梅田本店宣伝広報担当の脇 純子さん】「定番の白デコ・黒デコに加えて、見た目や、いろいろな味のバリエーションをひとつのケーキで味わえる味覚が楽しいケーキも。さまざまな楽しみが詰まったケーキをご用意しています」

阪神梅田本店クリスマスケーキDATA/予約:WEB 12月18日(火)まで、店頭12月20日(木) 受取:12月23日(祝)~12月25日(火) 種類:22ブランド約70種 新登場:パティスリーモリタ、パティスリー ル フルティエ、ガトードボアなど4ブランド

あべのハルカス近鉄本店広報PRの山田有紗さん】「“飾る、贈る、装う、集う”が今年のテーマ。ちょっと特別な大人のケーキや、素材、楽しさにこだわった贅沢なケーキ、関西の人気パティシエのおいしいケーキなどをお届けします」

あべのハルカス近鉄本店クリスマスケーキDATA/予約:WEB12月15日(土)10時まで 受取:12月23日(祝)~12月25日(火) ※商品により異なる 種類:41ブランド42種 新登場:FAR EAST BAZAAR

【大丸心斎橋店広報の長谷川眞之さん】「ラグジュアリーブランドが手がける夜空を切り取ったような幻想的なケーキや王道のイチゴのホールケーキなど、どれにしようか迷ってしまうほど勢ぞろいしています」

■大丸心斎橋クリスマスケーキDATA/予約:12月15日(土)まで 受取:店、商品により異なる 種類:67ブランド92種 新登場:アルノー・ラエール、ブボ・バルセロナ、セント レジス ホテル、ボアールなど7ブランド

【大阪タカシマヤ広報の稲川達也さん】「髙島屋限定は、それぞれのお店やパティシエの特徴が出ていて個性的。普段ショーケースではあまり見かけない色使いや装飾がふんだんに使われています。ぜひご注目ください」

■大阪タカシマヤクリスマスケーキDATA/予約:WEB12月15日(土)10:00まで 受取:12月23日(祝)~12月25日(火) ※商品により異なる 種類:41ブランド42種 新登場:FAR EAST BAZAAR(関西ウォーカー・関西ウォーカー編集部)

ハナフル X’mas限定フルーツパフェ(6480円、上)、パフェスタイルケーキは今年初登場 /阪神梅田本店