2018年11月22日は、11月の第4木曜日でアメリカのサンクスギビングデー(感謝祭)という祝日です。翌日の金曜日は通称「ブラックフライデー」という、年末商戦最初の日としても知られていますね。アメリカ軍も各地で特別な食事が提供されています。一足先にサンクスギビングデーを祝った部隊の様子と、アメリカ軍サンクスギビングデーにおける社会福祉の取り組みについてご紹介します。

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 アラスカ州フェアバンクス近郊にあるアメリカ陸軍のフォート・ウェインライト基地では、前日の11月21日サンクスギビング・フェストを実施。この日のディナーは、いつも食事を提供してくれる調理兵に感謝するため、調理兵の代わりに司令官のフィッシャー大佐らが食事を提供します。慣れない手つきで食事を提供する姿は、なんだか微笑ましいですね。提供を受ける兵士たちも緊張気味。量について「もっと多く!」なんて注文はつけられたんでしょうか?

 ディナーが終わると、司令官から調理兵に感謝のチャレンジコインを贈呈。普段の働きに感謝の意を捧げました。


 司令官など上の立場の人間が料理を提供するのは、アメリカ軍サンクスギビングデーではよく見られること。コロラド州のフォート・カーソン陸軍基地でも、第4歩兵師団のグラゼナー大佐らが部下の兵士らにディナーの提供を行いました。

 テキサス州のフォート・ブリス陸軍基地では、11月15日サンクスギビングデーの食事会が行われました。フルーツやパイなど、様々なメニューがテーブルを彩ります。もちろん、ここでも司令官らが料理をサーブ


 こういった軍の食事会の席では、戦死したり戦闘中行方不明MIA)となって出席できなかった兵士のための「陰膳(かげぜん)」が設けられるのも恒例となっています。

 また、サンクズギビングデーといえばターキー(七面鳥)。アメリカ国防総省によると、アメリカ軍がこの日に消費するターキーは、海外に展開している兵士の分だけで、丸鳥が9738羽、ローストターキーが5万1234ポンド(23.24トン)。このほかにも牛肉7万4036ポンド(33.58トン)、ハム2万1758ポンド(約10トン)、エビ6万7860ポンド(30.78トン)、パイ8万1360個にものぼります。ものすごい量ですね。




 また、サンクスギビングデーには、恵まれない人たちに「感謝のおすそ分け」をするのも恒例行事。アメリカ海兵隊第1海兵遠征軍は、駐屯するカリフォルニア州キャンプ・ペンドルトン周辺の人たちに、長期保存できる缶詰の食料などを配って歩く活動を11月16日に行いました。カリフォルニア州では度重なる山火事で住む場所を追われた人が多く、家財を失って避難生活を続けています。しかもこの行事、海兵隊の訓練としての側面を持っていて、行軍の訓練を兼ねて徒歩で配り歩きます。


 ジョージアコロンバスに隣接するアメリカ陸軍フォート・ベニング基地では、駐留する部隊の兵士たちが自宅から様々な食料(多くは保存がきく缶詰など)を持ち寄り、恵まれない人たちへ配りました。

 ワシントン州のルイス・マッコード統合基地では、周辺の恵まれない人たちへターキーを配る「オペレーション・ターキードロップ」という恒例の作戦(慈善事業)が行われました。この作戦を通じて、統合基地に駐留する陸空軍の親善交流を図るだけでなく、基地の外で活動する様々な民間団体と交流し、互いに強固な関係を築いています。



 サンクスギビングデーはただのお祝いだけでなく、慈善事業を通じて軍と民間とのより良い関係作りにも一役買っているのです。

Image:U.S.ArmyU.S.Department of Defense

(咲村珠樹)

飯テロ注意! アメリカ軍のサンクスギビングデー