昨シーズン限りで現役を退き、今シーズンよりパリ・サンジェルマンPSG)のU-19チームで監督を務める元イタリア代表MFのチアゴ・モッタ氏が、「2-7-2」という驚きのフォーメーションで“革命”を起こそうとしている。イタリア紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』が21日、同氏のコメントと共に伝えた。

 モッタ氏は現役時代、ルイ・ファン・ハール氏やジョゼ・モウリーニョ氏、カルロ・アンチェロッティ氏、クラウディオ・ラニエリ氏といった名監督の指導を受けた。そうした経験からたどり着いた自身のサッカー哲学は、「攻撃的に戦うこと」。「ハイプレスを掛け、ボールを持っていても持っていなくてもたくさん動き、試合を支配する」というのが、基本的な戦術となっている。

 その中でモッタ氏が編み出した驚きのフォーメーションが、「2-7-2」である。通常はGKをカウントに含めないため、「4-2-3-1」や「4-4-2」のように10人で組むが、モッタ氏はGKを中盤のプレーヤーとして計算。「私にとってアタッカーはファーストディフェンダーであり、GKはファーストアタッカーだ」と語り、GKを戦術上のキーパーソンに挙げた。最後方に2人のDFが構え、その前にGKが位置取る。このGKが両ウイングバック、そして中央の4選手とともにゲームを組み立て、最前線の2選手は守備時にまずプレスを掛けていく、というのがモッタ氏の唱える「2-7-2」システムだ。

 モッタ氏は実際にU-19チームの試合で「2人のウイングバックを9番と10番のポジションでプレーさせた」といい、“革命”に向けた道を歩んでいる。トップチームのトーマス・トゥヘル監督と対立することは否定したが、「私の目標はファーストチームのベンチに座ることだ」と将来的な野望も。「2-7-2」でモッタ氏が世界に衝撃を与える日は、そう遠くないかもしれない。

PSGのU-19チームを率いるチアゴ・モッタ氏 [写真]=Icon Sport via Getty Images