魔法使いの一族の少女・月白瞳美が、60年前の世界に飛ばされ、そこで出会った人々の影響で成長していく姿を描いたTVアニメ色づく世界の明日から』。月白瞳美役の石原夏織と、彼女の祖母で60年前の世界では同じ年の月白琥珀役の本渡楓の対談が、「アニメディア12月号」に掲載。超!アニメディアでは、掲載できなかった部分も含めたロング版をお届け。

――『色づく世界の明日から』の物語に触れた印象は?

石原
 「魔法」が存在するファンタスティックな世界観なんですけど、登場人物たちの人間模様や心理描写がとても繊細に描かれていて。「ファンタジー」と「リアル」が同居した、独特の作品だと感じました。アニメというよりも、どこか実写ドラマのような感覚で台本を読んでいましたね。

本渡 本当にドラマ的で、リアリティのある間の取り方をするんですよね。語り口や空気感がリアルなので、いい意味でアニメっぽくないという印象を受けました。だからこそ、アフレコの時は声を作りすぎてはいけないだろうし、逆に自然すぎても浮いてしまう。演じる時は難しさを感じながらも、テンポのいい会話劇を楽しませていただいています。





――おふたりが演じるキャラクター像について。まず瞳美にはどんな印象を受けましか?

石原 とても透明感があって、触れたら壊れてしまいそうなくらい、はかない女の子ですよね。これまで私が担当してきたキャラクターは、どちらかというと前のめりで、物事をしっかりはっきり言うタイプ女の子が多かったんです。ですから、瞳美ちゃんみたいに繊細な子を演じられることをうれしく思う一方、透明感やはかなさを私が表現しきれるのか、という不安がありました。基本的に内向的な子なので、あまり声を張らないように気を付けながらも、内に秘めた意志の強さは伝えなければならないと思い、苦戦しつつもやりがいを感じています。今では、瞳美の笑顔を見るだけでうれしくなってしまうくらい、キャラクターに愛着を感じています。

――主に元気っ子を演じてきたということですが、瞳美を演じてみて、何か収穫はあったでしょうか?

石原 私にとって、瞳美役は間違いなく「チャレンジ」ではありましたが、最初に演じた時にすっと役に入れた気がしたんです。もともと私の中にはあったんだけど、瞳美との出会いを通して、今まで気づいていなかった自分を発見できた、という感じがしました。

――本渡さんは瞳美に対してどんな印象を?

本渡 1話の段階では、もう心がひびだらけで、少し触れただけで壊れてしまいそうなもろさを感じました。でも、琥珀が登場する4話の段階では、写真美術部の面々と仲良く接している瞳美ちゃんを見て、すごく安心したんです。おばあちゃんとしての目線から見ても、一視聴者として見ても、いろいろな意味で放っておけないタイプですよね。さっき、キャリちゃん(石原)は、「瞳美役は自分にとって挑戦」って言っていましたけど、いろいろな作品で接する機会が多い私にしてみると、「こういう役をたくさんやってきたんだろうな」って思うくらい、すごくしっくりきてるように思いました。

――本渡さんから見て、石原さんは瞳美のように、放っておけない繊細なタイプなんでしょうか?

本渡 キャリちゃんは根が天然で、目を離すといろいろとやらかしてしまうタイプなので……(笑)。瞳美とは違う意味で放っておけないです。

石原 うーん、反論できない(笑)


――一方、琥珀についての印象はいかがでしょうか?

本渡 天真爛漫で、思ったことをズバズバ言えて、カッコいい子だなって思います。型破りなところがあって、先生方に迷惑をかけることもある問題児だけど、精神的には意外と大人なんですよね。イギリス留学から帰ってきたばかりなのに、「写真美術部」の面々と少し言葉を交わしただけで、誰が誰のことを好きなのかといった人間関係を鋭く見抜いてしまうという。そのうえで、彼らの関係がうまくいくように、あれこれ気をまわして導くなど、俯瞰的な視点で冷静に物事を見られるところにも憧れます。演じる際は、型破りではあるけれど、おバカキャラには見えないように気をつけています。

石原 琥珀は物事の一歩先を見据えて行動している印象がありますね。瞳美と同い年のはずなのに、ずいぶん達観しているなと思います。また、琥珀の帰国は「写真美術部」の面々にとってカンフル剤みたいになっているなと。「写真美術部」の面々との掛け合いは穏やかでのんびりしていたんですけど、琥珀が登場した4話からは明らかに空気感が変わりました。琥珀を中心に、物事が加速度的に進んでいくようになるんですよね。そして、瞳美はそんな琥珀に大きく感化されていくんです。いろいろな意味で、突出したムードメーカーだなって思います。

――おふたりは瞳美と琥珀の関係を、どのようにとらえていらっしゃいますか?

石原 瞳美にとって琥珀はおばあちゃんなんだけど、同い年で出会ったふたりはただの「家族」とは少し違いますよね。もともとおばあちゃんとは仲がよかったけど、高校生の琥珀が相手だと、もっとなんでも気兼ねなく話せている感じがします。家族でもあるし、親友でもある。唯一無二の関係なのではないでしょうか。

本渡 琥珀にしてみると、未来から自分のところにやってきた孫を助けないと、という思いがあるのではないかと。まだ結婚もしていない自分に孫だなんて想像もつかないけれど、それでも自分が支えていかないと、という使命感と愛情を抱いて接していると思います。

――本作には「星砂」を使った魔法が登場しますが、こちらを映像でご覧になってみていかがでしたか?

石原 とても美しい映像で心を奪われました。アニメに登場する「魔法」というと、炎などを出して敵と戦う……というのがまず思い浮かびます。でも、この作品の「魔法」は、誰かを幸せにするためのものだというところが、すごく素敵ですよね。実際に会ったら、小さい魔法を使ってみんなで楽しんだりできるのになって。

本渡 「星砂」を使って探し物を見つけたり、きれいなビジョンが目の前にあらわれたり。この世界の「魔法」があったら、きっと世界はもっと平和になるんじゃないかな。しかも、お店で手軽な値段で買えるところが、またいいですよね。ちょっとお金を払うだけで、誰もが簡単な魔法を使えるという発想は、すごく夢があっていいなと思いました。

――もしも実際に「星砂」があったら、どんな魔法を使いたいですか?

石原 最近、あちこちに携帯を忘れてしまうんですよね……。だから、探し物の魔法は欲しいです。切実に!! 

本渡 うわ~、やっぱり放っておけない! 私は小さい頃から空を飛ぶことに憧れていまして、ぜひほうきで空を飛びたいです。琥珀の場合は、教室の天井を壊してしまうくらい、激しく飛んでしまったようですが(笑)、私もそのくらい飛べたら気持ちいいだろうなって。

――収録中に、何か印象に残るエピソードがありましたら教えてください。

石原 本作の象徴的なアイテムとして、アズライトのイヤリングネックレスが出てくるんですが、琥珀のお母さん役の大原さやかさんが、私たちにアズライトのアクセサリプレゼントしてくださったんです! 大原さんが本作の世界観をとても気に入ったそうで、ご自身のぶんもアズライトのアクセサリーを買われていましたね。

本渡 しかも、形も作中に出てくるものにすごく似ているんですよ! いただいた時、うれしいのと感動で、胸がいっぱいになりました。もし『色づく世界の明日から』のイベントがあったら、絶対に身に着けていこうと思っています。

――最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

本渡 今後は「写真美術部」の恋愛模様が、大きく動き出していきます。また、俯瞰した視点から部員たちを見ている琥珀の達観した一面も、さらにクローズアップされます。ファンタスティックな世界観と、リアルな人間模様の対比をお楽しみいただければと思います。

石原 楓ちゃんの言うように物語が加速度的に動き出します。引っ込み思案だった瞳美が、勇気を出して一歩ずつ前進していく姿が描かれるので、彼女の成長や周囲の変化などに注目してみてください。


取材・文/福西輝明

プロフィール
石原夏織【いしはら・かおり】8月6日生まれ。千葉県出身。スタイルキューブ所属。主な出演作は『マギ』シリーズアラジン役、『凪のあすから久沼さゆ役、『閃乱カグラシリーズの夜桜役ほか。
本渡楓【ほんど・かえで3月6日生まれ。愛知県出身。アイムエンタープライズ所属。主な出演作は『亜人ちゃんは語りたい小鳥遊ひかり役、『刀使ノ巫女』衛藤可奈美役、『こみっくがーるず恋塚小夢役、『ゾンビランドサガ源さくら役など。

≪作品情報≫
■放送情報
MBS 毎週金曜日 26:25~ 
TBS 毎週金曜日 25:55~ 
BS-TBS 1毎週土曜日 25:30~ 
AT-X 毎週土曜日 21:00~ (リピート放送:毎週日曜日23:00/毎週火曜日13:00/毎週木曜日29:00) 
TUT 毎週木曜日 25:48~ 
ATV 10月15日より毎週月曜日 25:28~ 
※放送日時は変更になる場合がございます。

STORY
物語の始まりは数十年後。
日常の中に小さな魔法が残るちょっと不思議な世界。
主人公の月白瞳美は17歳魔法使い一族の末裔。
幼い頃に色覚を失い、感情の乏しい子になった。
そんな瞳美の将来を憂えた大魔法使いの祖母・月白琥珀は魔法で瞳美を2018年へ送り出す。
突然、見知らぬ場所に現れ戸惑う瞳美の視界に鮮烈な色彩が飛び込んでくる……。

CAST
月白瞳美:石原夏織
月白琥珀:本渡楓
葵唯翔:千葉翔也
川合胡桃:東山奈央
風野あさぎ市ノ瀬加那
山吹将:前田誠二
深澤千草:村瀬歩 

STAFF
監督:篠原俊哉
シリーズ構成柿原優子
キャラクター原案:フライ
キャラクターデザイン/総作画監督:秋山有希
美術監督:鈴木くるみ
美術監修:東潤―
撮影監督:並木智/富田喜允
色彩設計:中野尚美
3D監督:桐谷太カ
編集:高橋歩
特殊効果:村上正博
音響監督:山田陽
音楽:出羽良彰
オープニングテーマハルカトミユキ
エンディングテーマやなぎなぎ
プロデュースinfinite
アニメーション制作:P.A.WORKS

TVアニメ色づく世界の明日から』公式サイト
http://iroduku.jp/

TVアニメ色づく世界の明日から』公式Twitter
https://twitter.com/iroduku_anime

(C) 色づく世界の明日から製作委員会