電車内での悪質な痴漢のニュースが後を絶たない。首都圏を始めとする鉄道各社では痴漢などの迷惑行為防止を主な目的とし、テロ対策の意も込め東京五輪に向けて防犯カメラの導入を進めている。
一方で、プライバシー侵害になるという声もあり、議論になることも少なくない。
■2人に1人は監視カメラ設置に賛同
しらべぇ編集部では、全国20〜60代男女1,537名を対象に調査を実施した。その結果、「電車にも監視カメラを設置するべき」と回答した人は全体の54.8%。
男性は50.5%に対して、女性59.1%と、被害者となりやすい女性のほうが高い割合となっている。
■20代の防犯カメラ設置派は5割を下回る
さらに、この監視カメラ設置派を男女年代別にみると、最も高いのが50代女性で66.4%。
若い世代が痴漢の被害者になる事件が多いため、年齢が低いほど設置の声が増えるのか…と思いきや、年代が上がるにつれて防犯カメラの設置を願う声が目立つことが判明。
最も割合が低かったのは、20代で女性は5割を下回り、男性に至っては全体平均に20ポイントも差をつける結果となった。 痴漢を通報するためには、現行犯で逮捕することが大切であり、そのためには目撃者の証言も必要になるようだ。
防犯カメラの設置だけで根本的な解決には繋がらないと感じ、そこまで期待していないのかもしれない。
■「抑止にも繋がる」「気持ち悪い」
一方でネット上では、監視カメラの設置を強く望む男性視点の意見も多く見受けられた。
「自衛のために電車内にも防犯カメラをつけてもらえたら良いと思う。証拠にもなるし、抑止にも繋がる」
「電車に防犯カメラ設置されて個人のプライバシーが侵害されると発言している人がいるけど、街中にも防犯カメラたくさんついてますよ」
「男性に、電車に防犯カメラつけるべき、と話すと『でも死角が…』『でも費用が…』『でも冤罪が…』とかいう人がいて気持ち悪い」
■「これがセカンドレイプ」「怖くて声が出ない」
実際に痴漢被害にあった人に調査したところ、怒りの声はもちろんのこと、「痴漢される人が悪い」という心無い言葉に傷ついたという声も耳にした。
「実際、痴漢をされたら怖くて声なんて出せない。中には、小さなカッターとか凶器を隠し持っていた人もいた」
「周囲にその痴漢を目撃していて証人になってくれる人がいないくて、冤罪だと証言されて何回も逃げられたことがある」
「スカートが短かったんじゃないの…と言われたことがあるけど、短かったら触ってもいいの?これがセカンドレイプかと思い言葉を失った」
「男だけど痴漢にあったことがある。恐怖で何もできなかった。後日、友人に話したけど信じてもらえなくて辛かった」
痴漢は立派な犯罪だ。しかし、悪質な痴漢がある一方で、冤罪のケースもあるため扱いが難しい問題でもある。
電車内に防犯カメラを設置することで、証拠となり抑止にも繋がるため有効な手段といえるだろう。加えて、周囲の痴漢被害者への理解や協力も大切なのではないだろうか。
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【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2018年10月19日~2018年10月22日
対象:全国20代~60代の男女1,537名(有効回答数)
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