「島をさらに輝かせたい」という思いのもと、妖怪による島おこしを展開する「MeiPAM」について、小豆島ヘルシーランド株式会社地域事業創造部に取材した。

迷路のまちの妖怪美術館

瀬戸内海に浮かぶ小豆島(しょうどしま)にある香川県土庄町(とのしょうちょう)に「迷路のまち」と呼ばれるエリアがある。

中世の瀬戸内海で活動した海賊の侵入から身を守るために、あるいは南北朝時代の戦乱に備えて、迷路のように複雑に入り組ませた路地の町がつくられたそうだ。

提供:小豆島ヘルシーランド

提供:小豆島ヘルシーランド

その一角に、明治時代の呉服屋の蔵や元醤油屋の倉庫など古い4つの建物を活かしてモダンなアート施設にした「妖怪美術館」がある。

約20畳の部屋に広がる暗闇の間の天井一面に描かれた巨大妖怪「カンシシャ」をはじめとする妖怪画家・柳生忠平さんの奇想天外な絵画や、「妖怪造形大賞」のユニークな作品の数々、海外アーティストの妖怪写真展などをテーマごとに展示した、世界で唯一のアートミュージアムだ。

出典:MeiPAMホームページ

出典:MeiPAMホームページ

出典:MeiPAMホームページ

出典:MeiPAMホームページ

出典:MeiPAMホームページ

出典:MeiPAMホームページ

MeiPAMは他にも、迷路のまちでカフェや本屋などを展開。

妖怪美術館を中心とする迷路のまちのMeiPAMアートプロジェクトは、ネット上で「雰囲気ありすぎ!」「異世界に迷い込んでしまった感は異常」「神隠しされそう」「怖いけど、凄くそそられます」「好奇心が爆発しそう」「行ってみたい」など話題になっている。

館長は小豆島生まれの妖怪画家・柳生忠平さん

同館は、小豆島ヘルシーランドの地域事業創造部が「迷路のまちに再び活気を取り戻したい」「島を輝かせたい」という思いのもと展開する「MeiPAM」事業の拠点として、2018年2月に誕生した。

小豆島世界一妖怪の集まる島にすることを目的とし、小豆島まれの妖怪画家・柳生忠平さんが館長を務める。

柳生さんは子どもの頃から妖怪に興味を持っており、近くの神社や洞窟に「妖怪」がいると信じて探し回っていたほど。

妖怪の絵ばかり描いていたのをある先生に褒められて美術大学に進学し、日本画を専攻。卒業後は京都の老舗和菓子店のデザイナーをしていたが、小豆島に戻って2015年に「絵描鬼」を宣言、妖怪画家として本格的に活動を開始したという。

出典:MeiPAMホームページ

出典:MeiPAMホームページ

妖怪は日本独自の芸術表現

なぜ、島おこしのテーマに妖怪を選んだのか。広報担当の野村充史さんに話を聞いた。

古民家や古い施設をリノベーションしてモダンアートを展開する、というのは直島や瀬戸内国際芸術祭でもはや「普通」のスタイルになっています。

私たちも当初はその路線を踏襲していましたが、やはり「独自性」「オンリーワン」の特長を極めたい。そのためには、柳生忠平というアーティストの資質を最大限に活かせる「妖怪」をテーマに特化していこう。そのように舵をきりました。

「妖怪」は「すべてのものに神が宿る」という「八百万神(やおよろずのかみ)」や自然崇拝という日本独自の精神性や文化を礎にうまれた芸術表現です。

これこそが、「もったいない」や「おもてなし」などと同じように世界に誇れるものだと確信しています。

私たちの活動の根源には、小豆島の発展に寄与する=島興しではなく「島磨き」をする、という信条があります。もともとある資源や宝(可能性)を活かして、新しい創造で「島を輝かせる」ことが私たちの使命でありビジョンなのです。

出典:MeiPAMホームページ

出典:MeiPAMホームページ

「古いもの」「今あるもの」を活かす

古いもの、今あるものをできるだけ活かした展示や装飾にこだわっているという。

小豆島にある古民具や建具、うどんや素麺を作る際に使用されていた石材など。電灯類や雑貨なども利用しています。

また、カフェでは住む人がいなくなった民家から出てきた古いレコードをかけたりしています。

出典:MeiPAMホームページ

出典:MeiPAMホームページ

迷路のまち歩きを楽しみながら非日常を体験でき、妖怪文化と出会える他にはない取り組みは、世代を超えて人々を引き付けているそうだ。

「迷路のまち」という名称はたったの5文字ですが、誰しもが「行ってみたい!」と瞬時に思える最高のネーミングです。

その不思議感に魅かれて来られる方は、若い人々だけでなく、ご家族連れにも相当響いていると思います。

海外からの旅行者も増えているという。

LCC高松空港に多く就航している台湾・韓国・中国の方々が多く見受けられますが、最近は欧米やオーストラリアからの旅行客も増えつつあります。

アジア圏の人々には文化素地としての親和性もあり好評で、欧米系の人々には特にAmazing!とかFantastic!などの驚きの感想をいただけています。

京都や奈良の文化とはまた違う、異文化の体験ができる稀有なスポットだと自負しています。

出典:MeiPAMホームページ

出典:MeiPAMホームページ

活動に込める思いとビジョンを、こう話す。

わたしたちの活動は、常に進化=新化しています。

一過性の花火ではなく、ずっとどんどん輝き続ける「小豆島」にするために、あらゆる可能性を見つけ未知の領域に挑戦し実行します。

世界中の人々が「日本にいくなら小豆島へ」「迷路のまち」へ絶対いくべし!と思われるように、「妖怪芸術」を中心にまだまだ奮闘努力を重ねていきます。

小豆島を世界一妖怪が生まれる島へ!迷路のまちにある「妖怪美術館」の異世界感がスゴい