まるでスーパーマンさながらの「鳥だ!」「飛行機だ!」「いや、スーパーマンだ!」
SF映画とみまごうジェットの翼を身に着け、フィヨルド上空をぶっ飛ぶ、命知らずなパイロットの動画が話題になっている。
彼らは時速190キロものスピードで自由自在に空を突っ切るジェットマン。
その飛行シーンは目もくらむ高さや恐ろしい速さのおかげでヒヤッとさせられるものばかり。
とりわけ高所が苦手な人にはありえない光景だが、これは飛行に魅せられた元空軍パイロットの発明家が25年もかけて作り上げたガチな飛行ツールなのだ。
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スピード感あふれる飛行シーンを見せるのは、ジェット推進翼で航空史に挑むイヴ・ロッシと彼を支える2人の仲間だ。
この映像は、今後公開される予定の長編ドキュメンタリー『LOFT:The Jetman Story』のために一足早く明かされたもので、人類が獲得しうる新たな飛行形態を示している。
戦闘機の元パイロットが新たな翼を開発
翼の開発者であり、チームの中心でもあるロッシはスイス出身。
尋常ならざる航空好きから「ジェットマン」と称される命知らずな人物で、その名のとおり人生の大半を空で過ごしてきた。
翼を開発したイヴ・ロッシ
かつてスイス空軍の戦闘機パイロットを17年間務めていたロッシは、商業パイロットに転身。
それでもなお既存の形態に満足できず、航空史を打ち破る翼を求めた彼は、自由な時間をすべて飛行に捧げてあらゆる方法を試した。
その努力が膨張可能なウイングパネル付きハーネスにつながり、4つのエンジンを乗せた堅牢な翼に発展。
そこからいくつかの試行錯誤を経て、ついにこちらのジェット付きカーボンファイバーウイングが誕生したという。
そして現在、59歳となったロッシは飛行機とは異なる翼を誇らしげに装着し、気持ちよさそうに空を突き進む。
手元のコントローラーで時速193キロを操る
3人が着用する特殊スーツの重さはおよそ55キロ。翼の長さは2メートルで、時速193キロのスピードで飛行する。
改良を重ねた翼はかなり洗練されている。パイロットは高度計を身に着け、手の中の小さなスロットルコントローラーで操縦する。
いくつもの空を制覇したジェットマン
翼を手に入れたロッシは、現在に至るまでにスイスのジュネーブの湖や山脈上空を完全制覇している。
また、フランス航空界の先駆者ルイ・ブレリオの飛行経路をたどってドーバー海峡も横断。2012年には、スイスのルツェルン湖上を飛ぶ旧式の双発プロペラ機、ダグラスDC-3と並んで飛行。
さらにグランドキャニオンをわずか8分で飛び越える飛行までやってみせた。
アクロバットな飛行も思いのまま
スーパーマンのごとき3人は強固で険しい岩肌を抜け、一気に上昇。
自由自在に空をめぐるスタントショットが小気味良い。すでに翼が体の一部と化してるようだ。
空を突っ切る3人はノルウェーの名所「トロルの壁」にも遭遇。
ヨーロッパで最も高いとされる垂直な山壁も、恐れを知らないジェットマンには最高の遊び場。およそ100mの壁を舞台にスリル満点の飛行を楽しんだ。
これまでのエピソードをドキュメンタリーに
2013年、ヴィンス・リフェットを後援者に迎えたジェットマンは翌年ドバイに事業を移し「ジェットマン・ドバイ」ブランドを確立。
その後、同じく怖いもの知らずのフレッド・フューゲンもチームに参加して3人になった。
ドキュメンタリーでは、ロッシの25年におよぶ研究開発やチームのエピソードが明かされるという。
人類の究極の夢を目指すジェットマン・ドバイ。スピードとスリルあふれるジェットウイングは、次世代の飛行マシンになりうるだろうか。
References:youtubeなど /written by D/ edited by parumo
全文をカラパイアで読む:http://karapaia.com/archives/52267820.html
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