第8週「新しい冒険!?」 第47回 11月23日(金)放送より
脚本:福田 靖 
演出:安達もじり
音楽:川井憲次
キャスト:安藤サクラ長谷川博己、内田有紀、松下奈緒、要潤、大谷亮平
     桐谷健太、片岡愛之助、橋本マナミ松井玲奈、呉城久美、松坂慶子、橋爪功、瀬戸康史ほか
語り:芦田愛菜
主題歌:DREAMS COME TRUE「あなたとトゥラッタッタ♪」
制作統括:真鍋 斎

47話のあらすじ
福子(安藤サクラ)が無事男の子を出産。名前は「源」に決まった。
だが、産後の肥立ちが悪く、夜になると目が見えにくくなる症状が出て萬平(長谷川博己)は心配でたまらない。

赤ちゃんが生まれた
福子が産気づき、出産体制に入った。
萬平をはじめ、男たちは外で見守り、部屋のなかではタカちゃん岸井ゆきの)とお産婆さん
福子の手をずっと握っているタカちゃん、たったひとりでよく支えた。

そこへ、電報をもらった鈴(松坂慶子)と克子(松下奈緒)が駆け込んでくる。
ドラマ開始3分で赤ちゃん誕生。
「かわいいなあ〜」って愛でる萬平さんの声は真実味があった。

若者たちは酒盛り。
「おなごはすごいのう」「おなごに乾杯」と飲んで騒いで、タカちゃんは名前を発表しに来たときには潰れていた。

平賀源内源義経
なぜ唐突に鈴が「源義経」の末裔だと言い出したかと思えば、子どもの名前に繋がっていたとは。
萬平は江戸時代の発明家・平賀源内を尊敬していて「源内」とつけたいが、鈴は「義経」とつけたい。
対立するふたりの間をとって「源」はどうかと福子が機転を利かした。
源といえば星野源。前作「半分、青い。」の主題歌「アイデア」を作って歌った人。そのきっかけは、彼が松下奈緒主演の「ゲゲゲの女房」に出ていたことだ。
NHKとはいい関係という感じで「おげんさんといっしょ」という歌番組もある。
星野源が絶大な人気を誇る今、「源」という名はなかなかキャッチー。そのために平賀源内源義経をだしてきたアイデアは冴えていた。

産後の肥立ち
かわいい赤ちゃんが生まれたものの、福子は産後の肥立ちが悪く、起きられない。
安藤サクラが「源ちゃん」と弱々しく頭をなでる表情は迫真であった。
栄養のあるものを摂取すべしと聞いて、萬平は卵を用意したが、福子は残してしまう。
暗くなると目が見えにくくなるほど体調は芳しくない。

萬平は心配でつい鈴に当たる。子ども三人も生んでいるのにわからないのか、とか、僕は男なんだからわかるわけないとか。こういう時の萬平は自分本位で視野が狭い人っぽい。得意なこと、好きなことにだけ一生懸命なタイプで、赤ちゃんや福子に発する声は全然違うから面白い。
鈴も発明とか何か突出したものはないが、同じく自分本位。いや、国定忠治の芸が突出しているか。人にはなにかしら良いところがあるものだ。
たとえ、「おなごはすごいのう」「おなごに乾杯」などと、女性のドラマを99作積み上げてきた朝ドラで今、わざわざ(おそらく無自覚に、深い意味もなく、良かれと思って)こんなセリフを男たちに言わせることに眉をしかめる朝ドラファンもいることに気づかなくとも、「源」に関するアイデアでは楽しませてくれたのと同じようなことであろう。
46話で忠彦も言っていた。「悪い人はいない」。正しくは鈴のまわりに悪い人はいないという意味であったが、誰のまわりにも悪いばかりの人も良いばかりの人もいないのだ。きっと。

ともあれ、福ちゃんが心配です。
(イラストと文/木俣冬)

連続テレビ小説まんぷく
NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分

朝夕、本放送も再放送も オールBK制作朝ドラ
潔が男性服のメーカー・オライオン(モデルはレナウン)を作る。この頃のエピソードとセリフはかなりレベルが高い。
べっぴんさん」 BS プレミアムで月〜土、朝7時15分から再放送中。
47話

あさが来た」 月〜金 総合夕方4時20分〜2話ずつ再放送
相撲でおやすみ

イラストと文/木俣冬