篠田麻里子が23日、都内でおこなわれた、映画『ギャングース』公開初日舞台挨拶に登壇。映画の撮影をふり返る中で、入江監督の印象などを語った。この日はメインキャストの高杉真宙、加藤諒、渡辺大知、共演の林遣都山本舞香MIYAVIも登場した。

 本作はルポライターの鈴木大介による取材を基に、裏社会の実態を描いた肥谷圭介の漫画を実写化した映画作品。少年院で偶然出会った3人の少年達が、裏社会の様々な出来事の中でもがきながら生きていく姿を描く。“タタキ”専門の窃盗団の情報収集・標的選定担当のサイケ役に高杉、工具全般担当のカズキ役を加藤、車両・機動担当のタケオ役を、渡辺がそれぞれ演じる。また篠田は詐欺店舗の統括補佐・アゲハ役を担当する。また本作は『第31回東京国際映画祭』に特別招待作品として選出されている。

 入江監督の前回作『ビジランテ』でも現場を共にし、今作で入江監督作品2作目となる篠田は「初対面のときは目を合わせてくれなくて、人見知りのおじさんという感じだったんですが…2作目になってようやく会話ができるようになったというか、ちょっとだけ目を合わせてくれるようになった」と、徐々に入江監督に対して親しみを感じている様子を明かす。

 その一方で、篠田は「配役がすごいというか。(例えば)現場にMIYAVIさんが入ってきたときに、もう(役柄の)“安達だ”とすごく思ったり。そんな感じで人間の見極めかたがすごいと思いました」と入江監督の眼力の強さに深い関心を寄せていたことを語った。

入江監督

 その言葉に「(人見知りというのは)山本さんにも言われたので、そうなのかなと」と語った入江監督は「男ばかりの現場だったので、(篠田、山本の)女性が二人来てホッとしました」などとコメントする一方で「原作にある、エンターテインメントだけど、社会に通底するような、貧困や格差、家庭の問題とかというのは、そこは絶対リアルじゃないといけないと思って、主演の3人には原作の鈴木さんと会ってもらったり。娯楽映画だけど、そんな生々しさみたいなところは意識していました」と、近作のテーマを深く見出したという。

 またMIYAVIも「この作品を見させていただいて衝撃的でしたし、こんなに恵まれた裕福な国の中にも、こんな貧困問題があるということを、僕たち自身も本当に衝撃的でしたし、こういう作品がもっと作られるべき、見られるべき、語られるべきだと思っています」と、ストーリーの根底にある様々なポイントに大いに触発されたことを明かしていた。【取材・撮影=桂 伸也】