就職や転職に際し、自分の学歴やキャリアを少しでも良く見せようと繕ってしまうのが通例と思われるが…。
兵庫県神戸市にて、自身の最終学歴が「大学卒」であるのに、「高校卒」だと偽って採用されていた職員が懲戒免職処分となる事案が報じられ、波紋を広げている。
■匿名通報で「大卒」であることが発覚
『朝日新聞デジタル』によると、神戸市は26日、大学卒を高校卒と偽って長年勤務していたなどとして、定年後に再任用されていた経済観光局の男性事務職員を懲戒免職処分としたことを発表した。
男性職員は24歳だった1980年に市に採用され、2016年3月末に60歳で定年退職。同年4月に再任用され引き続き市職員として働いていたが、匿名通報によって学歴を偽っていたことが発覚したという。
■採用選考の受験資格は「高卒まで」
職員は1978年に大学を卒業していた。しかし、大学卒であることを伏せたまま「高校卒まで」を受験資格とする市の採用選考を受け、採用されていたのだそう。
処分が下された職員は「申告する必要がないと思っていた」と話しているという。
■「処分が重すぎる」と怒りの声
報道を受けて『Yahoo!ニュース』には、「高校を卒業して大学にも入ったのに、処分が重すぎる」という怒りの声が殺到する事態となっている。
・教育を受けたことを理由に懲戒免職されるのであれば、学問の自由や教育を受ける権利などを憲法で定めても絵に描いた餅になってしまう。そもそも、40年間大卒の人を高卒の賃金で雇っておいて、定年になったら懲戒免職なんて虫が良すぎる。偽ったことに非があるとしても、40年前の過少自己申告を理由に懲戒免職なんて重すぎだよ
・逆なら問題だと思うがこれの何が問題なのか。大卒で高卒の給与で頑張ってきたんだろ
・38年勤めてきた人を、そんな扱いできるものなんですかね? 38年って、人生そのものの否定だよ?
・一般的に高卒より優秀であるとされる大卒の人が高卒の待遇で雇えたんだから、市に不利益ないのでは。そこで弾かれた高卒の人からしたら不利益かもしれんが
「大は小を兼ねるのだから問題ないのでは?」といった意見も目立つ。
■仕事の能力に学歴はさほど関係ない?
しらべぇ編集部が全国の20~60代の働く男女649名を対象に「仕事の能力と学歴」に関する調査を実施したところ、男女ともに約8割の人が「仕事の能力と学歴は比例しないと思う」と回答した。
現場で優れたパフォーマンスを発揮できる人は、必ずしも高学歴であるとは限らないようだ。
定年退職後も真面目に働いてきた職員に対する重い処分。「学歴詐称」はあってはならないことだが、過小申告して長年務めあげてきた功労者に対する妥当な処分であるのか、疑問が残る。
・合わせて読みたい→生活保護受給者の女性に告白した札幌市職員 停職2ヶ月に「重すぎない?」と同情の声も
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2017年3月24日~2017年3月26日
対象:全国20代~60代の男女1,332名(有効回答数)
コメント