らっきょうの生産高も全国トップクラスです。
鳥取がカレールウ消費量日本一な理由

歴史を紐解けば理由がわかる——。今も昔もカレーを愛する鳥取人の「カレールーツ」とは?

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鳥取の人たちがカレー好きなのには諸説あり!?
そもそもなぜ、鳥取の人たちはカレーが好きなのだろうか。その質問を市民に投げかけると、多くの人が「鳥取は夫婦共働きが多いから」と答える。さらには「らっきょうの生産高が全国トップクラスなので」とも。

この疑問を調べるうちに、興味深い情報を得た。地域食文化の研究を行う、鳥取情報文化研究所の植田英樹所長によると、「鳥取市民はケチャップやソース、コーヒーなど、味に変化が加わるものを好む傾向にあり、それら食材や調味料の消費量も全国の上位に位置する。カレーは個性的で、味が明確なことが好まれるのでは」と、分析する。

Profile
カレー専用米のプリンセスかおりにはプレミアムな食材としての期待があります

植田英樹所長:鳥取情報文化研究所/仕掛け人
大手出版社で勤務後、地元鳥取県での情報発信を行うスペシャリスト。食と文化によるイベントや、メディアプロモーションを手がけ、ラジオでも活躍する。

手軽なカレーが共働きの家庭で重宝されてきたというのも確かで、味の変化を好む県民性も事実。いづれにせよ、鳥取県民とカレーは、切っては切れない関係にある。

そんなカレー大好き鳥取県で今、注目を集めているのが「純・サバカレー(鳥取市・鳥取だいぜん)」。日本海に面した水産大国でもある鳥取県では、鯖の消費量が全国トップクラスという、カレーに負けず劣らず鯖も好き。とりわけ塩鯖には強いこだわりがあり、それならばと、鳥取県の2大フードを合わせたのが純・サバカレー。

鳥取だいぜんの藤木巧代表は、地元の食材に強いこだわりを持ち、看板メニューでもある純・サバカレーはオール鳥取で仕上げている。このカレーにカレー専用米「プリンセスかおり」を使ったプレミアムメニュー作りにも挑戦しており、「鯖の香りと良く合う」とのこと。近い将来、鳥取だいぜんでスペシャルな一品が食べられるかもしれない。

Profile
カレールウにも鯖が使われているから「純」です

藤木巧代表:鳥取だいぜん/トレンドメーカー
鳥取ご当地カレー、純・サバカレーを手がける居酒屋・鳥取だいぜん(鳥取駅すぐ)。TVで取り上げられるとその人気が加速、一気にブームとなった。

【DATA】

居酒屋・鳥取だいぜん(鳥取県鳥取市栄町715番地/0857-27-6574)
純・サバカレー
レギュラーサイズ 799円、ダブルサイズ 999円(写真)

ジューシーな塩鯖の竜田揚げ、色あざやかな地元野菜のトッピングが食べて美味しい、見てうれしい。カレールウにも鯖が使われており、ひと皿すべてに鯖を盛り込んだ究極のカレー。


鳥取カレーの発展に欠かせない英国人陶芸家のひと手間カレー

今なお語り継がれる バーナード・リーチの教え
鳥取県とカレーを歴史的に遡ると、ひとりのイギリス人にたどり着く。柳宗悦などと親交があった陶芸家、バーナード・リーチは、しばしば鳥取に滞在していた。

Profile

バーナード・リーチ/Bernard Howell Leach:1887年1月5日1979年5月6日
イギリス人陶芸家。幼少期を日本で過ごし、学生時代にロンドンにて高村光太郎と出会い再度来日。柳宗悦の協力を得て陶芸家となる。その後、日本とイギリスのほか、アメリカやカナダにも渡り、陶芸を広めた(写真はウィキペディアより)。

その時に地元の人たちに請われて教えたのが、海老を使った味噌を隠し味にしたカレーと言われている。そもそもイギリスはカレー粉を生んだ国なので、当時のバーナード・リーチが鳥取の人たちにカレーを伝えていても、なんら疑問はない。

また、戦後GHQ占領時の日本において、中国四国地方は連合軍でもあったイギリスの管轄下にあり、イギリスインド軍が鳥取に一定期間駐留していた。折しもバーナード・リーチが日本で活動していた時期と重なり、両者が鳥取県のカレーに何かしらの影響をもたらした可能性は大いにある。

【DATA】

アジアンリゾートラウンジ 陶庵(鳥取県 鳥取市 湖山町西 4-110-5 鳥取砂丘コナン空港 2F/0857-31-0007)
海老のココナッツミルクカレー
1200円

海老のエキスをふんだんに使った、アジアンリゾートラウンジ 陶庵の看板メニュー。芳醇かつ濃厚な味わいが歴史以上のインパクトを与えてくれる。プリンセスかおりとの相性も抜群だ。


リニューアルした鳥取砂丘コナン空港
プリンセスかおりを使ったカレーが食べられる!

そんなバーナード・リーチが伝えたかもしれない海老を使ったカレー、そしてグリーンカレーの両メニューともに、プリンセスかおりを使ったレストランが、鳥取砂丘コナン空港内にある。

アジアンリゾートラウンジ 陶庵では、地元の陶芸家・アーティストの作品を展示しており、食と芸術の両面から訪れた人を楽しませてくれる。空港内というアクセスの良さはピカイチ。陶芸やカレーファンはもちろん、名探偵コナン好きにもぜひ立ち寄ってほしい場所だ。

【DATA】

アジアンリゾートラウンジ 陶庵(鳥取県 鳥取市 湖山町西 4-110-5 鳥取砂丘コナン空港 2F/0857-31-0007)
グリーンカレー
980円

スパイシーグリーンカレーに、香り豊かなプリセンスかおりを添えた、どちらも主役級のひと品。個性が強い両者が絡み合い、お互いを尊重した仕上がりになっている。


こちらも見逃せない鳥取砂丘近くのアジアンカレー
鳥取に行ったらぜひとも訪れたい定番の観光スポット、鳥取砂丘。その砂丘と、隣接する日本海を眺めながら食事ができるアジアン料理店、アイワナドゥ岩戸が人気だ。場所は鳥取砂丘の駐車場から車ですぐ。

メニューは地元の食材にこだわっており、「黄金比率の鉄道カレー」「タイチャーハン」はプリンセスかおりを使用している。料理もさることながら、店内の雰囲気がおしゃれかつ居心地よく、ロケーションも◎。アジア民芸も販売している。

【DATA】

アイワナドゥ岩戸(鳥取県鳥取市福部町岩戸276/0857-75-2090)
黄金比率の鉄道カレー
980円

スタッフがタイ東北部で旅した時に出会ったという、鉄道駅のカレーを再現。生クリームと溶き卵が、鋳造皿の中で絡み合う。プリンセスかおりの香り、食感もエッセンスに。

タイチャーハン
840円

プリンセスかおりを使ったチャーハンも絶品


うれしい番外編 鳥取お取り寄せカレー
レトルトカレーの種類が豊富なのも、鳥取の魅力のひとつ。ご当地カレーの種類も多く、鳥取の食材にこだわったものに注目が集まる。

みかん亭の「恩田さくら和牛ビーフカレー」は、南部町ふるさと納税の返礼品としても人気が高いレトルトカレー。開発者の漆原文男さんは、地元の食材と厳選されたブランド牛、恩田さくら和牛にこだわった製品作りをしている。
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掲載:M-ON! Press