お金の話は、仲の良い友人ともなかなかできないものですよね。一般的にお金を貯めるというと、日本円を普通預金か定期預金にしているイメージですが、本当にこれだけでいいのかよくわからない、でも人には聞きにくいという方も意外と多い印象です。

お金に対する価値観はそれぞれなので、日本円を普通預金で貯めるだけでも良いのですが、今の時代、運用による貯蓄を検討する必要もありそうです。今回はその理由を考えてみます。

そもそも貯蓄とは?

貯蓄には、銀行などの金融機関やゆうちょに現金で預貯金すること以外に、生命保険や積立型損害保険の掛金、投資信託・債券・株などの有価証券、社内預金や勤め先の共済組合など金融機関外への貯蓄が含まれています。つまり、投資信託、外貨預金、債権、株など投資性の強い運用商品も貯蓄に含まれるということです。

投資信託は比較的値動きは少ないですが、株や外貨預金などは、相場や経済情勢により大きな利益を得ることができる可能性もある反面、元本割れのリスクもあることは常に頭に入れておく必要があります。

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日本円の貯金だけではダメなの?

日本の銀行は信用力も高いですし、預金額が1000万円までならペイオフ(預金保護)の対象となるので、万が一預け入れをしている銀行が倒産してしまっても、この範囲であれば返還されることになっています。

そのため、盗難リスクに備えてお金を家に保管するよりも銀行に預けたいという場合は、1000万円を上限として異なる金融機関に預金をするのが良いでしょう。

ただし、現在はマイナス金利の影響もあり、銀行に預金しても利息は微々たるものです。

たとえば、三菱UFJ銀行の2018年11月20日現在の普通預金の利息は0.001%です。仮に100万円貯金している場合、1年預けて受け取れる利息は10円から税金約20%を差し引いた額となります※。

現在の日本社会は、消費税増税や社会保障費の増額など、年収自体は変わらなくても出費が増えて手元に残る現金は少なくなる一方です。つまり、収入を増やすことが難しいならば、運用で利益を増やすことも考えないと生活がますます苦しくなる可能性も少なくないということになります。

※初出時に利息の表記に誤りがありました。訂正してお詫び申し上げます。

現金の預貯金と投資資金のバランスはどのくらい?

運用で利益を得たいからといって、全ての現預金を運用商品の投資に変えてしまうのは不安ですよね。実際に運用商品は、すぐに解約すると損をしたり、商品によってはすぐには解約できないようなものもあります。

最低でも3カ月分の生活資金は現預金として手元に用意しておくと、万が一に備えて安心だと一般的には言われています。言い換えれば、投資はすぐには使う必要がなく、万が一目減りしても我慢ができるという無理のない範囲の余裕資金で行うものだということです。

投資はリスクが小さいものから大きいものまでさまざまですので、ご自身の経験や理解度に合わせたバランスの良いポートフォリオを形成することが大切です。

日本円のリスクヘッジとしての外貨預金保有も

日本円は信用力の高い通貨ですし、日本で住む以上日本円を持っていれば安心と思う人も多いでしょう。ただ、今後インフレが進み円の価値が低下する可能性もないわけではありません。

日本は金融緩和でどんどん新しい日本円を発行しています。今はそんなに変化を感じることは少ないかもしれませんが、長い目で見たら今の円の価値を将来保つことは難しいかもしれません。

また、何が起こるか分からない、変化の大きい社会に生きている私達にとって、一つの国の通貨のみ保有するのは極めてリスクの高いことであるという考え方もあります。

外貨預金は円高の時に外貨を購入し、円安になった時に売却すれば日本円は増えることになりますが、売却益の追求だけではなく、将来の資産価値を減らさないというリスクヘッジのためにも日本円以外の外貨預金を保有することを考えてみてもいいでしょう。

まとめ

現状ほとんど貯金がない人は、まず日本円を増やしていくことを考えるのが大切ですが、ある程度余裕資金がある場合は運用商品に投資することも考えてみてはいかがでしょうか。

収入がなかなか増えないのに個人の負担はどんどん重くなる日本では、運用で貯蓄を増やすことも一考に値します。また、投資には利益を増やすこと以外にも、将来の資産を減らさないためのリスクヘッジという役割があります。元本割れのリスクもあるということを念頭に、無理のない範囲で挑戦してみてください。