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 江戸時代、日本は鎖国政策をとっており、対外関係は朝鮮王朝、清(のちの中国)、オランダに限定されていた。だが、幕末になると、日本は外国にかなりの興味を持ち始める。

 東アジアの歴史学者であるニック・カプールが、最近、興味深い一連の画像をツイッターシェアした。この時代の日本独自の西洋世界解釈を表わした、ある書物に描かれた挿絵だ。

 本来なら彫りの深いアメリカ人の顔が、日本画の日本人と同様に描かれているのは興味深い。

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 これらの画像は、「童絵解万国噺(おさなえときばんこくばなし)」という書物からのものだ。幕末、ペリー提督が日本に開国を求めた8年後の1861年の本で、文字は仮名垣魯文、絵師は歌川芳虎である。

 「童絵解万国噺」は、海国図志(Drawings of Foreign Countries)とアメリカ統一史(American Unified History)というふたつの出典をベースにしていて、けっこうな冒険譚になっている。

1. ジョージワシントン弓と矢を持つ人物)とアメリカの女神(仙女)

 この挿絵では、"建国の父、ワシントン"のワシントンが漢字で「話聖東」と書かれている。

2. 虎を叩きのめすジョージワシントン


3. 巨大ヘビと戦うジョン・アダムズ
ワシントンの副官で、のちの第二代大統領


4. 素手で担いだ大砲を放つベンジャミンフランクリンと、攻撃方向を示すジョンアダム

 カプールのこれらのツイートに対するコメントの中には、どうしてアメリカ人がアジア人と同じような顔をしているのか?という質問もあった。

 それに対してカプールは、絵師はアメリカ人と面識がなかったので、いつもの見慣れている顔で描いただけ、と答えている。

5. 母親とピクニックに行ったジョン・アダムズが、食べ物と飲み物に夢中になっているうちに、母親が巨大なヘビに食べられてしまう。以前、アダムズが殺したヘビの子どもが復讐に来たのか、それとも確執関係にあったベンジャミンフランクリンが送り込んだ刺客なのか?

6. 仙女がアダムズのために巨大なワシを呼び出す

7. ワシと協力して、アダムズは母親を食べてしまった大蛇を殺す


「童絵解万国噺」の他のページは、早稲田大学デジタルアーカイブで見ることができる。

written by konohazuku / edited by parumo
追記:(2018/11/29)本文を一部訂正して再送します。

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52268157.html
 

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