学校でも職場でも、自分のことばかりを優先していては、周りとの関係が悪化するのは目に見えています。逆に周囲の人を尊重して行動すれば、自然とコミュニケーションも良好になって行くものです。今回の無料メルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』のテーマは「グッドコミュニケーション」。著者で現役教師でもある松尾英明さんが、ゲーム「どうぶつしょうぎ」から得た気付きをもとに、人生で大切な考え方を共有してくださっています。
人生で大切な「グッドコミュニケーション」
娘と「どうぶつしょうぎ」をやっていての気付き。
「どうぶつしょうぎ」をご存知だろうか。縦6マス×横3マスの中を、それぞれ4駒ずつで行う簡易版の将棋である。王であるライオンを取るか、相手の最終ラインまで自分の王を進めた方が勝ちという、単純なルールながら奥深いゲームである。
小学生の娘は、毎度このゲームで私に勝てない。毎度勝てない勝負というのは、つまらないものである。考えさせてもわからないままなので、ここはアドバイスをした。
要は、王のことばかり考えているからいけない。王というのは、周りがいてこその王であり、力を発揮できる。一番弱いひよこ(通常の将棋の「歩」)を大事にすること。簡単にキリンやゾウ(「飛車」「角」の動きで1マスずつ動ける駒)を取らせないこと。手駒を犠牲にする場合、代わりに確実に取り返せる状態にすること。ここの意識が抜けているから、勝てないのだと教えた。
どれも、当たり前のことである。そしてこれは、人生全般についてもいえる。要は、自分のことばかり考えているからうまくいかない。周りをどう大切に扱っているか。自分ばかりが生き残ればいい、という考えは、結局我が身を滅ぼす。
国同士の関係にもいえることである。先日のセミナーで、講師の尾形英亮さんが「ヨーロッパの人々は、基本的にグッドコミュニケーション。なぜなら、広く地続きだから」という話をされていた。つまり、周りに自分は敵ではないと意思を伝え、良い関係を築ける能力がないと、生き残れないからである。
クラスの子どもにも当てはまる。クラスで本当に気持ちよく生きていきたいならば、自分のことばかり優先して考えていては成り立たない。自分がやれることはさっさと済ませる。その上で、仲間を思いやり、困っていたら「任せて」と助ける。そういう「グッドコミュニケーション」が成立する学級でない限り、結局成員の全員が苦しむ羽目になる。
「どうぶつしょうぎ」の話なのだが、生きる上での根本・本質であると考えた。自分の人生の王様として生きるなら、周りの人々をいかに大切にするかが鍵である。
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