冬、お風呂が心から恋しい季節である。外の寒さで体が芯から冷えた後にお風呂にゆっくりつかる時ほど幸せを感じることってそうそうないんじゃないだろうか。筆者は長風呂してだんだんとお湯が冷めたところでもう一回追い炊きしながら再び体をポカポカにするのが好きである。できればずっとお風呂の中で過ごしていたい……。

ところで、お風呂についてじっくりと考えたことがあるという人はどれぐらいいるだろうか。筆者はボケーっと湯舟につかっているだけで、お風呂のことを何も知らないことに気づいた。「教えて!gooウォッチ」でお風呂に関する情報を探してみたところ、以下の3つが発見されたので、紹介しよう。

江戸時代のお風呂は蒸し風呂が主流だった?

まずはお風呂の歴史についてである。日本人はお風呂や温泉が大好きだという話は耳にしたことがあるが、そもそも、日本ではいつ頃からお風呂に入る習慣が発生したのだろうか。株式会社バスクリンの“お風呂博士”こと石川泰弘さんによると、日本にお風呂が伝来したのは6世紀のことだという(教えて!gooウォッチ「日本のお風呂文化の発展を紐解いてみた!湯船の意外な語源も判明」より)。

「お風呂は、6世紀の仏教伝来とともにやってきたといわれています。仏教でお風呂は『七病を除去し、七福を得られる』と考えられており、仏教とともに人々の生活に根づいていったようです。ただ、このころはお湯で体を拭くことが中心で、お湯に体をつけるものではありませんでした」(石川さん)

また、その後も現在我々がイメージするような湯舟に浸かる入浴方法は特殊な部類であり、江戸時代でも銭湯の主流は蒸気浴だったそうだ。温泉大国の日本だけに、お湯に浸かる行為もあるにはあったが、それが一般化するのは江戸時代以降のことだという。さらにその湯舟が各家庭に置かれるようになるのには長い年月を要した。

「家風呂が当たり前となったのは高度成長期です。結果として、銭湯は衰退していきました。逆に、入浴剤は家庭にお風呂がつくようになったことで、飛躍的に売り上げが伸びました」(石川さん)

今の自分が気軽に自宅のお風呂に入れるのも、考えてみれば大変ありがたいことなのかもしれない。

■帰宅時の「ご飯にする?お風呂にする?」はどちらが先が正解?

昔のホームドラマなどの定番として、夜、仕事から帰った夫に妻が「あなた、ご飯にする?それともお風呂にする?」と聞くシーンがあったが、みなさんはどちらを先にしているだろうか。管理栄養士のはやしさちこさんによると、目的に応じた正解があるという。例えば、ダイエット目的ならお風呂を先にした方がいいそうなのだ(教えて!gooウォッチ「夜遅くに帰宅、御飯とお風呂、どちらを先にするといい?」より)。

「(ダイエットが目的なら)食前の入浴をおすすめします。入浴をすることで、全身の血流が良くなり、一時的に胃腸の働きが鈍くなります。そうすると胃液の分泌を抑えることができるので、空腹感を感じにくくなり、食べ過ぎ防止に役立ちます」(はやしさん)

また、リラックスを目的とするなら食後に入浴するのがおすすめだとか。

「食後30分以降に、38~40度くらいのぬるめのお湯に15~20分程度入浴後、体温が下がるタイミングで就寝すると、良質な睡眠導入への効果が期待できます」(はやしさん)

「どちらのタイミングで入浴をするにしても、身体の水分不足は血液ドロドロの原因ともなるので、入浴前後の水分補給は忘れずに行って下さい」とのことなので、たくさんの水分を取っておくことを心がけたい。

■お風呂を出てからも湯冷めしない方法

お風呂に入ってせっかくポカポカに体を温めても、その後に湯冷めしてしまっては台無しである。株式会社バスクリンの石川さんによれば、湯冷めの原因は“汗”だという
(教えて!gooウォッチ「湯冷めのメカニズムと湯冷めしないためのコツ」より)。

「湯冷めは、お風呂で温まった体温を下げるために出る汗、つまり水分の処理がしっかりとできていないため、かえって冷えてしまうことから起きます。お風呂上がりに服を着ると思いますが、本来は汗がひいてから服を着ることが湯冷めを防ぐ一つのポイントです。パイル地のバスローブなどを使うこともよいですし、服を着て汗をかいたら着替えることが大事です。お風呂あがりにすぐパジャマなどを着て、布団に入ってしまうと汗をかき、かえって風邪を引きやすくなるのです」(石川さん)

なるほど、すぐに服を着た方が体を冷やさなくて済みそうな気がするがそれがかえっていけないようだ。「汗がひいてから服を着る」「汗をかいたら着替える」、これを肝に銘じておきたい。

また、お風呂の質をグッと高めてくれる入浴剤の中にも、保温効果を高め、湯冷めしにくくしてくれるものがあるようだ。

「保温効果を高める入浴剤の主な成分は硫酸ナトリウムです。肌に付着してベールをつくり、外側から熱を抑える仕組みで保温します。それに対し、炭酸ガス系の商品はお湯に溶けた炭酸ガスが皮膚を通り末梢の血管に入ります。こちらは、代謝機能を働かせることで血行を促進させ、内側から温める仕組みです」(石川さん)

入浴剤のタイプや成分をよくチェックしてみることで、いつまでも温かさが持続する快適なお風呂タイムが手に入りやすくなりそうだ!

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)

冷えた体を温めてくれる「お風呂」について知っておきたいこと