男性の「すっぴん」が、珍しがられる日が近づいているのかもしれない。男性向けの化粧品「メンズコスメ」の市場が拡大しているのだ。

化粧品国内大手の資生堂などがスキンケア商品のバリエーションを増やしているほか、国際的なファッションブランドシャネル」が今秋、初めて男性用メーキャップ化粧品を売り出すなど、話題も豊富で、市場は盛り上がりを見せている。

シャネルも男性用商品を投入

資生堂は「ビジネスには美しい肌が武器になる」として「美ジネスマンの新習慣」とうたい、同社ブランドウーノ」から、保湿スキンケア「ウーノスキンセラムモイスチャー」を9月、発売した。入浴中に洗顔やひげそりをした後、ぬれた手のまま顔にぬることができ、シャワーで流してもうるおいを保てるという。

シャネルはメーキャップ用の「ボーイ ドゥ シャネル」をこの11月に投入。ファンデーションをはじめ、リップクリームや眉毛を整えるアイブロウペンシルなどラインアップも豊かだ。また、化粧品ブランドTHREE」(スリー)で知られるアクロも9月、メーク中心のメンズ総合コスメ「ファイブイズム バイ スリー」を発売。肌の悩みに合わせたベースメークや雑貨など約80品をそろえた。

調査会社「富士経済」の国内化粧品市場調査によれば、日焼けによる紫外線対策などをうたった男性用フェイスケアの2018年の市場規模は前年比4.5%増の231億円と見込まれる。2020年には236億円にまで拡大すると予想されており、メーキャップ化粧品が加われば、さらに市場が拡大する見込みだ。

SNS普及も影響か

こうしたメンズコスメ市場の広がりの背景には、少子高齢化で化粧品を使う若い女性が減少する中、化粧品各社が男性を新たなターゲットとして重視していることが大きい。「男性向け化粧品はまだ未開拓の分野とも言え、化粧品全体の中での規模はまだ小さいが、今後は確実に成長するはず」(化粧品業界関係者)との期待は高い。実際に各社が投入する商品の種類が増えるに従って、購入する男性が増えている状況だという。

さらに、10~30代の若い男性を中心にスキンケアへの関心が高まっていることも市場拡大を後押ししている。SNSなどに使うため、今の若者たちは自身の姿を頻繁に撮影している。男といえども、きれいな肌やきりりとした表情を求める傾向が強まっており、「女性がするもの」と長く受け取られてきた化粧品を使うことに抵抗がなくなっているのだという。

シャネルの「ボーイ ドゥ シャネル」公式サイト