SHE'Sが11月29日、東京・渋谷CLUB QUATTROで全国ツアー『Autumn Tour 2018“The One”』の最終公演をおこなった。11月16日・福岡・DRUM Be-1公演を皮切りに全国7都市7公演をまわる。ファイナルとなった渋谷CLUB QUATTROは2年前にメジャーデビューをファンに報告した思い出の場所。今回は、初心に戻るべく“The One”というツアータイトルを掲げたという。井上竜馬が「自分と自分の大事な人を守るロックでありたい」と語ったように、1曲1曲を大事にプレイし、観客と文字通り“ひとつ”となったステージでツアーを終えた。また、2019年2月6日に3rdフルアルバム『Now & Then』をリリースすることも明かした。【取材=松尾模糊】

みんなで一つになろう

 会場が暗転し、メンバーが登場。広瀬臣吾(Ba)が両手を挙げて観客を煽り、手拍子が会場に響く中「歓びの陽」でこの日のステージを開始。エレクトロなサウンドと生演奏が絶妙に融合したナンバーで会場のボルテージを上げる。

 2曲目「Un-science」では、広瀬が飛び跳ねながら演奏し、服部栞汰(Gt)もモニターに乗りギターソロを決めるなど序盤からテンションの高いパフォーマンスを見せ、観客も手を上げて盛り上がった。

 MCでは、服部が「渋谷の皆さん、元気ですか? 今回はリリースツアーではなくて、古い曲から新しい曲までやっていきます。メジャーデビューを発表したこの場所でもう一度初心に戻って、みんなで一つになろうと言うことで“The One”というツアータイトルになっています」と今回のツアーについて説明。

撮影=Masonori Fujikawa

撮影=Masonori Fujikawa

 そして、井上のエレピの演奏から「グッド・ウェディング」を披露。立て続けに「Come Back」、「Upside Down」と披露した。広瀬はタッピングで木村雅人(Dr)とともに軽快なグルーヴを生み出し、服部がサウンドに厚みを加えていく。井上はハンドマイクを持ち、ステージの前に出て観客を煽り、会場の熱気を上げた。

自分と大事な人を守るロックでありたい

 井上は「ライブやっていたら、みんながいて最高って思うんですけど…音楽以外のところで闘っていると、自分って孤独やなと身勝手に考えてしまう自分が嫌で。でも嫌なことはずっと続くわけがない、と自分に言い聞かせるような曲です」と楽曲への想いを語り、「Monologue」を弾き語った。

撮影=Masonori Fujikawa

撮影=Masonori Fujikawa

 さらに「月は美しく」、「White」とミディアムナンバーを続け、井上は優しく歌い上げる。観客も暫しその歌声と優しいサウンドに耳を傾けていた。

 井上は「東京での思い出はたくさんあるけど、やっぱり特に覚えているのはあの時(メジャーデビュー発表時)やな。あの時のみんなの声や顔は全然忘んれられへん。じいさんになってもあの時間を覚えてるんやろなと思う。そんな時間をこれからもいっぱい作っていきたいし、音楽でみんなにもそんな時間を作れたらと思います」と2年前を振り返った。

撮影=Masonori Fujikawa

撮影=Masonori Fujikawa

 また、2019年2月6日に3rdフルアルバム『Now & Then』をリリースすることを発表。井上は「音はもうほとんど録り終えていて、歌詞も書いてすぐ歌録りもしてしまいますんでね」とレコーディングについて明かした。広瀬も「傑作やね」と自信を示す。

 そして、井上は「僕たちは変わらずに音楽をやりたいと思います。音楽ができて幸せです。自分と自分の大事な人を守るロックでありたい。お互いに良い人間を目指して、またライブで会いましょう」と語り、「Curtain Call」で本編を終了。

撮影=Masonori Fujikawa

撮影=Masonori Fujikawa

 アンコールでは、「Voice」を演奏。井上は「いつもありがとう。これからもよろしく」と呼びかけ「Home」を披露。最後はシンガロングも起き、大団円の中ツアーを終了した。