以前、言葉というものは時代によって意味があれこれ変化していくということをお話しました。

今回紹介する「やばい」という言葉も、時代によって意味が変化してきた日本語の言葉のひとつといえます。

最近では「やばい」という言葉は、「あの店のランチやばいよね~」「このラーメン、チャーシューの量やばくね?」などのように、「凄い」「魅力的」などの意味で使われることが多いようですが、筆者が10代を過ごした20年くらい前までは、「まずい」「危険」など、どちらかというとあまり好ましくない状況のときにつかっていましたね。「なんだか、やばいことに巻き込まれたぞ!」「やばい! 気をつけろ~!」なんていう風にです。

この「やばい」という言葉、国語学的には「具合の悪いさま」「不都合なさま」を意味する形容動詞「やば」を形容詞化した言葉として解説されていますが、実は他に由来があるともいわれています。

「鑑定徳川律法」より 大獄内の様子

「やばい」という言葉が使われるようになったのは、江戸時代ごろから。その由来はもともと犯罪者同士の隠語だったそうです。

江戸時代、牢屋や看守のことを「厄場」といっており、そのようなものとかかわりあいになりそうなくらい危険な状況にあることを「やばい」といっていたそうです。

牢獄でよからぬことをしている囚人が看守に見つかりそうになると、「やば、やば」と言い合って囚人どうしで看守の存在を教えあったとも伝わります。

江戸時代の牢屋事情についてはこちらの記事で紹介していますのでぜひ。

また、別の説では、「やば」を漢字で書くと「矢羽」となります。これは、弓道でつかう矢のことで、弓矢で射られるくらい危険だというところから、「やばい」という言葉が生まれたともいわれています。

さて、現在では良いことも悪いことも、「想像をはるかに凌駕すること・もの」に対して使われているこの「やばい」という言葉ですが、やはりそれが使われる時と場所はわきまえて使う必要があります。

公的な場において「やばい」を連発して大目玉を食らう、なんて話も筆者が聞く話です。便利な言葉なため、安易に使ってしまいがちですが気をつけなければなりませんね。

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