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 クリスマスが近くなると花屋に鉢物が出回ることから「クリスマスフラワー」とも呼ばれる「ポインセチア」。

 赤と緑の葉のコントラストが楽しめるポインセチアは、クリスマスの雰囲気を演出する大切なアイテムの一つだ。

 中央アメリカやメキシコ原産で、トウダイグサ属の植物だが、毒性を持つと言われている。いったいその毒はどれほど危険なのだろうか?

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毒はあるがそこまで危険ではない

 ポインセチアには確かに軽い毒性があるが、人間にとってそれほど致命的な毒ではないと言われている。

 ほんの少し樹液や葉を食べてしまったからといって、ただちに健康被害が出るようなことはない。多少の反応が出るかもしれないが、あわてて病院に行くほどではない。ただしペットの場合は、注意深く様子を見ておこう。

毒の噂の発端

 この噂がはじめて出回ったのは1919年、ハワイで2歳の男の子がポインセチアのそばで亡くなった事件が発端だ。

 ポインセチアは人気の観葉植物で、どこにでもあったので、自然に男の子はその葉っぱを誤って食べて死んだのだと考えられた。

 だが残念ながら遺体の検死は行われず、ポインセチアに毒があるという誤解はそのまま定着してしまった。

 それが毒ではないということがはっきりしたのは、噂が大勢に信じられてしまった事件から100年が経ってからのことだ。

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人やペットに対する毒性

 ただし、大量に食べてしまった場合、嘔吐、皮膚炎、吐き気、下痢といった症状が現れることがある。

 ミルクのような樹液は人にも動物にも反応するが、それで医療的な措置が必要になることは滅多にない。

 その毒性は低く、体重22キロの子供であっても、毒性が発揮されるまでには葉を500枚は食べなければならない。

 万が一ペットが食べてしまい、よだれを垂らしていたり、嘔吐や下痢、腫れやかゆみのような症状が出ているようであれば、犬や猫に対して軽度の毒性があるために獣医に連れて行ってもいい。

 ただしポインセチアの有毒成分のホルボールエステル類は、発がんプロモーション作用があるとも言われているので、やはり食べるのはやめた方がよさそうだ。

ペットには他にも気をつけるべき植物がある

 クリスマスシーズンは観葉植物を飾ることも多いだろうが、ヒイラギ、ヤドリギ、ローズマリー、ユリにはペットを近づけてはいけない。

 ユリは1、2口食べただけで急性腎不全の原因となるし、花粉も非常に毒性が強い。またヒイラギは重度の胃腸障害を引き起こす。

ポインセチアの育て方

 ポインセチアにはさまざまな色があり、きちんと手入れすれば毎年成長する。カラフルな苞葉は特殊な種類の葉で、シーズンを通して色が変化する。それは昆虫をおびき寄せることが目的だ。

 そのため、虫が嫌だというなら切ってしまうといい。

 開花の時期には、日当たりのいい暖かい場所に置き、土は軽く湿らせておく。また繰り返し花を咲かせたいなら、自然の日のサイクルの中で育てなければならない。つまり日が沈んだら、ちゃんと暗い場所に置いてあげるのだ。

References:Poinsettias: Is This Popular Holiday Plant Really Poisonous? - KnowledgeNuts/ written by hiroching / edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52267011.html
 

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