▽第98回天皇杯全日本サッカー選手権準決勝の浦和レッズvs鹿島アントラーズが、5日に県立カシマサッカースタジアムで行われ、1-0で浦和が勝利。この結果、浦和が3年ぶりに決勝進出を果たした。

▽準々決勝でサガン鳥栖を2-0で破った浦和は、3-2で勝利した直近の明治安田生命J1リーグ最終節FC東京戦からスタメンを5名変更。阿部、柴戸、萩原、アンドリュー・ナバウト、李に代えて、マウリシオ宇賀神、長澤、武藤、興梠を起用した。

▽一方の、準々決勝でヴァンフォーレ甲府に1-0で競り勝った鹿島は、0-0で引き分けた直近のJ1最終節鳥栖戦からスタメンを2名変更。小笠原、安西に代えて、内田、安部を起用した。

▽試合の立ち上がりは、素早く前線に持ち運ぶ鹿島が押し気味に進行するが、浦和もギリギリの場面でやらせず。8分にはボックス内左に侵攻した鈴木が左足を振り抜くが、DF槙野がスライディングでブロック。直後の左CKの場面で永木のクロスに合わせたDF西のヘディングシュートも枠を外れ、拮抗した状況が続く。

▽しかし、自陣内で激しいプレスを敢行する鹿島に対して浦和は前線でボールに収められず、なかなかチャンスを作り出すことができない。すると、19分に鹿島に再び決定機。ボックス手前での細かい繋ぎから右サイドにボールが渡り、オーバーラップした内田がピンポイントクロスを上げる。飛び込んだ西が放ったヘディングシュートは枠を捉えなかったが、鹿島の積極性が目立つシーンが頻発する。

▽それでも27分、DF槙野を中心にピンチを凌ぎ続ける守備陣の奮闘に浦和の攻撃陣が答える。右CKの場面で柏木が左足でインスウィングのクロスを入れると、ファーでマウリシオが跳躍。DFチョン・スンヒョンとの競り合いを難なく制し、打点の高いヘッドでGKクォン・スンテの牙城を打ち破った。

▽勢いを得た浦和は、33分にも右CKの場面で柏木のクロスにDF岩波が飛び込む。しかし、ここではGKクォン・スンテが好守を披露し、先制点の再現とはいかない。

▽鹿島はその後やや持ち直すが、前半中にスコアを振り出しに戻すことはできず。1-0で浦和がリードしたまま、後半を迎える。

▽巻き返しを図りたい鹿島だったが、後半立ち上がりにもカウンターから浦和にチャンス。48分、ボックス右に抜け出した武藤が鋭い切り返しで鹿島DFを剥がして左足を振り抜く。GKクォン・スンテのファインセーブで難を逃れる鹿島だったが、なかなか展開を優位に戻すことができない。

たたみ掛けたい浦和だったが、直後にアクシデントが発生。興梠が足を抑えてピッチ外に出ることとなり、李との交代を強いられることに。対する鹿島も、61分に永木に代えて土居を起用。アタッカーの枚数を増やして巻き返しを図る。

▽その後も安定した戦いを続ける浦和だったが、65分にもアクシデントが発生。今度は武藤が倒れ込み、担架でピッチの外へ。交代選手には柴戸を送り出した。さらに72分にも青木が接触によってプレー続行不可となり、阿部と交代。浦和は、3枚のカード全てを負傷交代で消費することとなった。

▽それでも、浦和は守備に人数を割きつつカウンター狙いにシフトし、鹿島にシュートを許さない。中盤での攻防が激化した試合では鹿島がボールを保持しつつも攻めきれず、浦和がスコアで上回ったまま時計の針が進む。

▽試合終了間際の91分、鈴木の仕掛けからボックス内左のセルジーニョにボールが繋がり、セルジーニョのシュートが枠を捉える。しかし、ゴールライン寸前でDF宇賀神が決死のクリア。詰めていた土居も押し込むことができず、浦和が最大の危機を脱する。

▽結局、鹿島がネットを揺らすことなく試合が終了。この結果、浦和が準優勝に終わった2015年以来の決勝進出を果たし、3度目の戴冠を目指すこととなった。

▽なお、9日に埼玉スタジアム2002で行われる決勝戦で、浦和はベガルタ仙台と対戦する。

天皇杯全日本サッカー選手権準決勝
浦和レッズ 1-0 鹿島アントラーズ
【浦和】
マウリシオ(前27)