中国の鉄道車両最大手の中国中車が、エジプトで初めて受注を獲得したことが中国の複数のメディアで伝えられ話題になっている。中国中車の子会社である中車四方が3日、エジプトのテンス・オブ・ラマダンシティの鉄道プロジェクト向けに「動車組」(高速鉄道向け車両)22編成(132両)を供給することで合意したというもの。同社は併せて、12年間のメンテナンス契約も結んだ。エジプトでは、首都カイロの人口急増によって、新首都移転のプロジェクトが進行中。様々なインフラ投資に中国企業が積極的に関わっている。

 中国は、首都カイロの東方60キロ離れた砂漠地帯への移設計画を「一帯一路」戦略上の重要プロジェクトに位置づけて、中国国有企業が積極的に工事受注を請け負っている。今年7月に北京で開催された第8回中国・アラブ諸国協力フォーラム閣僚級会合では、エジプトのサーメハ・シュクリー外相と王毅外相が会談し、両国の歴史的な関係を称賛するとともに、さまざまな分野で包括的な戦略的パートナーシップが維持されていると両国関係を評価した。

 今回の高速鉄道が計画されるテンス・オブ・ラマダンシティは、新首都計画地の隣接地にあたる。このプロジェクトはエジプト鉄道局と中国中鉄、中国航空技術国際らのコンソーシアム(企業連合)との間で契約され総工費12.4億ドルが計上されている。今回、中車四方は、コンソーシアムと車両調達契約を結んだ。同プロジェクトでは、時速120キロの高速鉄道が敷設される計画になっている。

 エジプトの鉄道網や車両は老朽化が進んでおり、2017年7月には首都カイロアレクサンドリア行きの列車が停車中の列車に追突し42人が死亡し、130人が負傷するという大事故が起き、今年に入っても数十人の死傷者が出る列車事故が相次いでいる。エジプト運輸協会のモハメド・シハタ会長は昨年、新華社のインタビューに応じて「鉄道インフラ施設の維持は国民の生命と安全にかかわるものである」と鉄道インフラの近代化に意欲を示すとともに、「中国はエジプトにとって、鉄道インフラ整備の飛躍的な発展を実現させる理想的なパートナーである」と語っており、今後も中国企業による鉄道関連の受注が続きそうだ。(イメージ写真提供:123RF)

中国高速鉄道がエジプトで初受注! 運行時速120キロだけど・・・