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 人間を軽く殺せるほどの毒を蓄えているのは植物だし、植物がなければ我々動物は生きていくことができない。植物のもつ底力はもしかしたら地球最強なのかもしれない。

 そんな植物パワーをマジマジと見せつけてくれるのは、「絞め殺しの木」だ。

 絞め殺しの木は、熱帯に分布するイチジク属や一部のつる植物の総称なのだが、その一生は他の種の犠牲によって成り立っている。

 宿主植物を絞め殺しながら成長するのだ。

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宿主植物を絞め殺す

 絞め殺しの木の種子は鳥やコウモリ、猿を媒介として他の木の幹や枝の割れ目に落とされ発芽する。

 発芽した絞め殺しの木はその根を地表まで伸ばしていくのだが、この時宿主となった木々に絡まるようにしてその細い根を伸ばしていく。

 根が地表深くまでたどり着くと、宿主に栄養を供給してきた根に強く張り付き締め上げていくのだ。徐々に太くなった木の幹は宿主を絞め殺すか、栄養をすべて遮断して宿主であった木を枯らしてしまうのである。

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 この方法は木々の生い茂る熱帯雨林で太陽を確保するための方法として「宿主に置き換わる」という選択肢を身に着けた絞め殺しの木が獲得した生存競争のたまものなのだ。

 こう聞くと恐ろしい種族に思うかもしれないが、絞め殺しの木は比較的少ない生物量でありながらも、自然系に多大な影響を及ぼす種族の部類である「キーストーン種」の一つと言われている。

 これは絞め殺しの木が宿主を絞め殺した後にできる内部の空洞が鳥やコウモリなどの生物の隠れ家として機能するためである。

References:Strangler fig | tree | Britannica.com/ written by riki7119 / edited by parumo

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http://karapaia.com/archives/52268425.html
 

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