災害の復興需要や東京五輪などで堅調な建設業界。

 その現場ではさまざまな業界用語が飛び交っています。今回は建設業界の業界用語を見ていきましょう!

ゼネコン

Q.「ゼネコン」の意味、説明できる?

「建設を請け負うゼネコンはどこですか?」

 テレビの報道番組などでもよく耳にするこの言葉。

 聞き慣れていても、しっかりと説明できる人は少ないのでは?

A.「ゼネラルコントラクター(=総合建設業者)」

 マンションや大型ビルを建設する際、その土木・建築に関する施工・設計・研究全てを管理する総合建設業者を「ゼネコン」と言います。

 英語の「contractor」は主に建設事業の「請負業者」を意味します。ゼネコンは建設工事を請け負うと、つながりのある下請け会社に発注します。たくさんの下請け業者を束ね、大きな建設現場を動かしていくのがゼネコンの役割です。

 ゼネコンの中でも「大手ゼネコン」と呼ばれる会社は江戸時代終盤~明治時代の創業と長い歴史があります。例えば、竹中工務店は、織田信長の普請奉行だった竹中藤兵衛正高が1610年に創業しました。

 ちなみに日本最古のゼネコンである金剛組は聖徳太子四天王寺建立を任された宮大工・金剛重光が創業です。これは、現存する企業として世界最古でもあるそう。

 日本の伝統的な建築技術は世界でも注目されており、現在も日本の建築技術の高さは世界で評価されています。

Q.「ネコ」とは何のこと?

「ネコ持ってきて!」

 建設現場のネコとは?

猫
※画像はイメージです(以下、同じ)

A.「手押し車」

 建設現場で、土砂や取り壊した家屋の残骸などを運ぶのに使われる一輪車の手押し車を「ネコ」または「ネコ車」と言います

 ネコを使うのは単純作業なので、経験の浅い新人作業員の仕事。ですが、初心者にはなかなかバランスを取るのが難しい機材です。

 建設現場には、人ひとり通るのがやっとの細長い板が足場として置かれており「ネコ足場」と呼ばれています。そこを通るのに適しているため、一輪車が「ネコ」と呼ばれるようになったという説があります。

 また、不思議と建設現場では動物の名前が使われていることが多く、作業台のことを「ウマ」、雨戸の固定具を「サル」と言ったりします。これらの専門用語が分からなければ仕事になりません。

 建設業界の新人にとっては、用語を覚えるのは最初の課題のひとつなのです。

Q.「ご安全に」はどんな場面で使う?

「ご安全に~!」

 建設現場では常にこの言葉が飛び交います。

建設

A.「おはようございます」「お疲れさまです」に代わる挨拶言葉

 重機や大型トラックが行き交い、高所での作業など、建設現場は常に危険と隣り合わせ。

 小さなミスが大きな事故に繋がってしまいます。「無事故(怪我人を出さない)」のは大切な目標の一つです。

 そこで、建設現場では「おはようございます」や「お疲れ様です」と言った挨拶の代わりに「ご安全に!」と声を掛け合います。朝晩いつでも挨拶は「ご安全に!」。場合によってはメールの書き出しや、電話での挨拶も「ご安全に」です。

 もともとは、ドイツの炭鉱で働く人々が「ご無事で!」と声を掛け合っていたことが発祥だそう。建設現場だけでなく、電力会社の作業員など危険な作業の多い現場で使われています。

 身近な建設現場で耳を澄ませてみると「ご安全に!」の挨拶が聞こえてくるかもしれません。

TEXT/都田ミツコ モデル/吉野七宝実(SPA!DOL)>

※参考:『図解入門業界研究 最新建設業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』(第3版)

【都田ミツコ】

編集者ライターエッセイスト。日課は今朝計った体重を妹にラインで送りつけること。