11月30日発売のフラッグシップモデルスマートフォンHUAWEI Mate 20 Pro」は、新型プロセッサ「HUAWEI Kirin 980」の圧倒的パフォーマンスパワーとスマートさを兼ね備えるユニークバッテリー、そしてLeicaトリプルカメラとAIによる美しい写真描写など、注目機能が満載だ。今回は、その実力を徹底検証した。

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●海外で高評価 新型AIプロセッサがあらゆる動作を高速・快適に



 「HUAWEI Mate 20 Pro」は、10月16日に英国ロンドンで発表。先行して発売していた海外ではメディアや有識者からの高評価を得ており、“今年No.1”との呼び声も高い。

 ディスプレイは約6.39インチ解像度3120×1440ドット(2K+)の有機EL。縦横比19.5:9と縦に長く、画面占有率は86.9%。上部のノッチやベゼル幅は狭く、没入感のあるフルビューディスプレイを、持ちやすいカーブボディがさらに引き立たせる。

 目を引くのは、四角にレイアウトされたデザインカメラ。約4000万画素/F1.8/27mmの広角、約2000万画素/F2.2/16mmの超広角、約800万画素/F2.4/80mmの3倍望遠という構成で、焦点距離は16~270mmと非常に広い。

 ファーウェイは昨年末からAIを軸とするスマホの次世代化に取り組んでいるが、「HUAWEI Mate 20 Pro」はその要となるAIプロセッサに最新の「HUAWEI Kirin 980」を搭載。従来の「Kirin 970」でシングルだったAIプロセッサはデュアルに、プロセスルールモバイルデバイスで世界初となる7nmプロセスに進化した。

 高負荷のゲームクリエイティブアプリの処理性能がアップしただけではなく、何気ない普段の動作も高速化。アプリの立ち上げなど、頻度の高いアクション一つとっても快適になった。ブラウジングも爆速。使い方を問わず、誰でもその恩恵を受けることができるのだ。

 バッテリー容量は4200mAhと大容量。AIが電力消費を効率化するので、公称値以上に長持ちするように感じる。付属のACアダプターで充電すれば、約30分で70%充電できる40Wの「HUWAWIスーパーチャージ」に対応し、別売りの「HUWAWIワイヤレスクイックチャージ」を使えばワイヤレスで15Wの急速充電が可能だ。

 さらにユニークなのが、「HUAWEI Mate 20 Pro」自身をワイヤレスチャージャーにして、他のデバイスを逆充電できる機能。「設定」から「ワイヤレス給電」の項目をONにして、端末同士の背面を合わせれば、自動で給電が開始する。

 生体認証は顔認証と指紋認証に対応。顔認証は電源ONから瞬時にロック解除するスピードもさることながら、周囲の環境に左右されない使い勝手のよさも魅力。夜道や電気を消した室内でも問題なく動作する。

 指紋認証は、同社の国内展開モデルとしては初めてイン・スクリーン指紋認証を採用。センサー部がなくなったことで見た目がすっきりしたが、メリットはそれだけではない。たとえば、机に置いた状態でロックを解除したいとき、背面センサーだといちいち持ち上げなくてはいけないが、イン・スクリーンだとそのままの状態でロックを解除できる。フルビューディスプレイと指紋認証の快適さを両立させるため、これから広がりそうな技術だ。

 ここからは、気になっているユーザーも多いであろう「AI+三つのカメラ」の魅力を語っていきたい。技術的なブレイクスルーが満載のカメラだが、小難しい説明より作例を見てもらった方が早い。今回は東京都中央区にある浜離宮恩賜庭園で試し撮りをしてきた。

●ダイナミックな景観からマクロの世界まで美しく



 まず、浜離宮恩賜庭園でも随一のフォトスポットである富士見山で、幅広い焦点距離がどのような撮影を可能にするか、検証してみた。富士見山は、小高い丘になっており、潮入の池を一望することができる。庭園の奥にそびえる東京タワーまでフレームに収めることができるのも魅力だ。

 このスポットは移動できるエリアが狭く、広い潮入の池の全体像をフレームに入れるのは本来ならばかなり難しい。しかし、「HUAWEI Mate 20 Pro」の超広角撮影なら苦労はない。広角撮影で生じがちな写真の歪みもほとんど生じず、目で見たままの美しい景観を記録することができた。撮影当日はあいにくの曇空で写真のトーンが沈まないか心配したが、AIによるシーン認識が「曇空」と認識したおかげで、暗い部分ができて被写体がつぶれるということもなかった。

 これまでもAIによって、紅葉はより鮮やかに、といった補正が可能だったが、「HUAWEI Mate 20 Pro」は新しくなったAIプロセッサの効用で、1枚の写真内で複数の補正を同時に行えるようになった。この写真を例にとると、紅葉はより鮮やかに、緑はよりみずみずしく、空はコントラスト豊かに、といった具合にAIがセグメントごとに異なる補正をしてくれるのだ。

 高倍率ズーム撮影の美しさも目を見張るものがある。3倍光学ズームにしても最奥のビルの窓枠がくっきり見えるほどにディティールの描写は細かい。さすがに最大の10倍デジタルズームにするとややきめ細かさは落ちるが、それでも十分に許容範囲内。肉眼ではまったく見えなかった池に浮かぶ御茶屋にいる人物の年齢や服装などを識別できるくらいの解像感は維持できている。

 ダイナミックな風景撮影ですぐれた性能を発揮する「HUAWEI Mate 20 Pro」だが、繊細なマクロの世界を描き出すのも得意だ。被写体にレンズを近づけると自動で起動する「スーパーマクロモードを駆使すれば、最短2.5cmまでマクロ撮影することができる。浜離宮恩賜庭園でお土産に購入した小さな飴菓子で試してみたところ、直径1cm程度の飴の肉眼では見えなかった内部の気泡まではっきりと描写した。

 浜離宮恩賜庭園内で咲いていた花を「スーパーマクロモードで撮影した写真も紹介しておきたい。花そのものよりも目を引くのは、滴る水滴の光沢や花びらにつかまる小さなアリ、花弁の中央にある長いめしべやおしべなどの細かいディティール。これまでのスマホカメラではフォーカスできなかったマクロの世界が美しく浮き上がらせることができた。

 カメラの魅力を的確に伝えるための言葉をあれこれ悩んだのだが、最終的にしっくりきたのが「使っていてとても楽しい」だ。「画質が美しい」「撮影の幅が広い」のはもちろんなのだが、これまでのスマホカメラでは撮影できなかった(もしくは撮影しようと思わなかった)写真が面白いように簡単に撮影できる。難しい設定を覚えなくてもいいし、テクニックを磨かなくてもいい。うまく撮れないと悩む必要がないので、心から“楽しい”と思える。

 “独自性”という部分では、外部ストレージに、一般的なmicroSDカードの約半分のサイズのNM(Nanoカードを採用していることも紹介しておこう。NMカードコンパクトなので、microSDカードのように専用スロットを設ける必要がなく、SIMカード用トレイに格納することが可能。「HUAWEI Mate 20 Pro」はデュアルSIMスロット仕様なので、片方をSIM、もう片方をNMカードと、同時に使用可能だ。

 「使っていて楽しい感覚」は、カメラ以外でも感じられた。AIと聞くと高度なイメージをもつユーザーも多いだろうが、そんなに身構える必要はない。今まで以上の快適さで、今までできなかったことができる。それだけでも、「HUAWEI Mate 20 Pro」を一度は触っておくべき理由になる。(BCN・大蔵 大輔)
“今年No.1”との呼び声も高い「HUAWEI Mate 20 Pro」の実力を徹底検証