酒を飲むと、とたんに行動が豹変する人がいます。キス魔、ハグ魔、脱ぎ魔……。今回紹介する亮子さん(35歳・仮名)は、緊張のあまり飲みすぎて、とんでもないモノに変身してしまったようです。

◆入社したての職場なのに……飲みすぎて記憶喪失

 慣れないメンバーとの飲み会は、誰しも多かれ少なかれ緊張するもの。転職して1カ月ばかりたったころ、亮子さんは初めて職場の忘年会に参加したそうです。

「もともと、すぐに泥酔しちゃう性質でして……。この日は、入社して間もないし、絶対おとなしく飲もうっ! って心に決めて挑んだんです。でも、慣れない場、慣れないメンバーということで、いつも以上に緊張しちゃったんですよね」

 仕事納めの日ということもあり、翌日は休み。50人を超える大人数の宴会で、かなり盛り上がったようです。

「結果、緊張しすぎて勧められるがまま、飲みすぎてしまって。起きたら家にいて、飲み会の途中から、記憶が一切ありませんでした

 なぜかiPhoneもなくしてしまって、『iPhoneを探す』という機能を使って、自分のスマホに、『夫の番号まで連絡ください』と表示させておいたんです」

写真はイメージです(以下同じ)

 ご主人からも「飲みすぎていた」とは聞いたそうですが、現場で何をしたのか記憶がない亮子さん。不安なまま過ごしていると、会社の総務の女性から「亮子さんのスマホ、会社の机の上においておきますね」と連絡が来たそうです。ご主人と一緒に会社までiPhoneを取りにいった後、カフェで一息つきながら、各所に飲みすぎについて謝罪LINEを送っていたのですが……。

「その返信をみて、顔面蒼白になりました……」

◆緊張しすぎて!? とんでもない大暴走が発覚

 亮子さんがスマホを手にしたことを知った社内の人たちから、彼女が忘年会でしでかした出来事が続々と送られてきたのだそうです。そこには、信じられない行いの数々が……。

「一番やばいと思ったのが、セクハラですね。『周囲の男性社員の股間を触りまくってましたよ。しかも、部長の股間まで! それは未遂に終わったけど、超怒られてました』って。酔っぱらった自分に問いたいです。なぜ、そこで股間を……!」

 酔っ払った亮子さんの“やらかし”はセクハラだけでは終わりません。

「しかも、その後お手洗いに行ってから戻ってこなかったそうで。女性の先輩から、トイレで寝てたって報告されました。絶対、それってパンツ丸出しですよね。もう恥ずかしくって!!」

 その後、会場から男性2人に引きずるようにタクシーに乗せられて帰宅。上司も亮子さんを気遣い、その時交通費として1万円を握らせてくれたとのこと。しかし、酔っぱらっていた亮子さんにとって、その1万円をお金だと認識する能力はなかったようです。

「一緒に会社へついてきてくれていた夫が、1万円の話を聞いたところで『あ~』って言いだしたんです。え、何!? って思うじゃないですか。どうやら私、家に帰ってから『このゴミ捨てとけ!』って、上司が握らせてくれた1万円を丸めて夫に投げつけてたようなんです……」

 ご主人がゴミとして投げられた紙を広げると、1万円札。彼はそっと、亮子さんの財布に、お札を入れておいたそうです。兎にも角にも、本人に記憶なし。

「話を聞いて恥ずかしすぎて死にたくなったし、会社を辞めようかと真剣に悩んだ年末年始でした

 ちなみに、年が明けて出社すると、亮子さんをタクシーに乗せてくれた男性たちは、軒並みインフルエンザで休み。自分がなにか呪いでもかけたのかと、さらに不安になったとか。

「でも会社の人たちは、みんないい人で。その後、嫌われることなく、左遷されることもなく、問題なく(?)過ごすことができました。ありがたかったです」

 いまや、このときに迷惑をかけたメンバーのひとりは、家族ぐるみのつきあいをするほどの仲良しに。醜態をさらしても、その後良ければすべて良し……? とはいえ、あまりにも直接的なセクハラは訴えられるので、ほどほどに。

シリーズ 酒の失敗エピソード vol.14―

<文/ミノシマタカコ イラスト/鈴木詩子>