オリヴェイラ監督が鹿島戦で負傷交代の興梠、武藤、青木の状態に言及

 今季タイトル獲得のラストチャンスであり、来季AFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権獲得をかけた9日の天皇杯決勝に臨む浦和レッズにとって、朗報となりそうな声が届いた。5日の準決勝・鹿島アントラーズ戦で負傷交代した3選手について、オズワルド・オリヴェイラ監督は7日の記者会見で「彼らが出場できる可能性は大きい」と話した。

 鹿島戦は指揮官が、「サッカーというよりも戦場」と表現するような激しい試合になった。そのなかで後半、FW興梠慎三、FW武藤雄樹、MF青木拓矢の3人が相次いで負傷交代という事態になった。オリヴェイラ監督が「1試合で3人の交代枠を怪我で使ったのは初めて。戦術的な交代は一つもなく、全てが物理的なものだった」と話すほどだ。

 実際に7日のトレーニングでも、興梠と武藤は室内での別メニュー調整だったが、左肘を痛めた青木は「骨に影響はない」という状況でピッチに姿を見せ、他の鹿島戦でスタメン出場した選手たちと調整メニューを消化し、ランニングする姿があった。

 オリヴェイラ監督は「今朝、3人とも順調に回復をしているという嬉しい報告があった。青木も今日、ピッチでトレーニングをした。興梠も武藤もかなり良くなっているということだ。彼らが出場できる可能性は大きいと考えている。私の感覚では、3人とも出られるのではないかと思っている」と、3人が9日の決勝・ベガルタ仙台戦に出場する可能性について話した。

先発の可能性もあるFW李「総力戦で勝って締めくくりたい」

 興梠は2013年の浦和加入から、仙台戦で14ゴールを挙げている“仙台キラー”であり、武藤にとっては14年まで所属した古巣対決。その武藤もまた3ゴールを決めてきた仙台戦での活躍が目立つ2トップだ。

 仮に二人の出場が最終的に難しい、あるいは90分間のプレーが叶わない場合のファーストチョイスになりそうなFW李忠成は、「自分が出る時は同点か負けているかだと思う」と話し、「その時が来れば、前に、前にと。勝つんだという勢いを与えないといけない。途中から入る選手は同じテンションではダメ。別世界であるようにやっていかないといけない。みんな怪我がちだから途中からのパターンはあると思うけど、総力戦で勝って締めくくりたい」と力を込めた。

 長いシーズンの最終戦ともなれば、小さな負傷を抱えていない選手のほうが珍しい。ラスト1試合、浦和はギリギリまで回復に努める2トップを含めて、ベストメンバーを揃えて決勝戦に臨んでいく模様だ。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)

(左から)MF青木拓矢、FW興梠慎三、FW武藤雄樹【写真:Getty Images】