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 非常に些細な小さなことが、様々な要因を引き起こしながら徐々に大きな現象へと変化する。

 これは「バタフライ効果」と呼ばれているものだが、人類の歴史においても、小さな出来事が、大きな現象の引き金に繋がったケースがあるようだ。

 真偽のほどは定かでないし、大げさにまとめられてるかもしれないが、バタフライ効果ともいえる16の事例があげられていた。

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1. 酸素タンクが5センチ落下したせいで爆発事故

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2インチ(5センチ)の落下がアポロ13号を危機に陥れた。

落下したのは酸素タンク。検査では大したことがないと判断され、アポロ13号での使用許可が下りた。

ところが、設計ミスをはじめとするさまざまな問題が積み重なって、ミッション中に火花が発生。爆発を引き起こしてしまったのだ!

「ヒューストン、問題発生だ」

2. ハイル・ヒトラーの文字のおかげで解読成功

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第二次世界大戦中、英国の暗号解読者は「クリブ」を使って暗号解読をしていた。クリブとは、すでに解明されている暗号のサンプルのことだ。

彼らがドイツエニグマコードを解読し、戦争で勝利できたのは、ドイツ側の暗号が決まり文句で終わっていたからだ。

――つまり「ハイル・ヒトラー」である。

3. 腰痛のせいでケネディ大統領は暗殺逃れられなかった?

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ケネディ大統領は腰痛のせいで暗殺をまぬがれなかったという説がある。

彼には持病の腰痛があり、戦争の怪我でいっそう悪化させていた。暗殺当日、ケネディは姿勢を保つためにきついコルセットを締めていたのだが、このために体を屈められなかった。

致命傷となったのは1発目ではなく、2発目の銃弾だ。コルセットをしていなければ、屈んで銃弾を避けられたかもしれないというのだ。

4. 船舶番号の記載ミスで救助が間に合わず

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事務的なミスで漁船船員6名が死亡した。

漁船のレディマリー号の船舶番号は、事務員のミスで1ヶ所の「C」が「0」と登録されていた。そのせいで、2009年3月にニュージャージー州沖で船が沈没し始めたとき、緊急用GPSで位置を特定できなかった。

位置を特定するために別の人工衛星も導入されたが、おかげで救助活動が90分遅れた。このために船員6名とともに船は海の底に沈んだのである。

5. タイタニック号はぼやが原因で沈没?

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タイタニック号が処女航海に出る前にボイラー室でぼやがあり、これが沈没の本当の原因であるという証拠が最近発見されたという。

沈没事件が発生した当時、生存した船員からその火事が船殻に修復不能な損傷を与えていたという報告があったが、これはほとんど無視された。

そのボイラー室の位置は、氷山がかすめた位置とぴったり同じだったのだ。

6. リスのせいで停電

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アメリカの突然の停電の9~21パーセントはリスが原因だという。

2015年、米バージニア州だけで、動物が原因の停電が4700件以上記録されている。そのほとんどはリスが犯人だ。

7. ドイツの外交官の居眠りがアメリカの参戦へ

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1915年、ドイツの外交官が列車の中で居眠りをした……これがきっかけとなり、アメリカは第一次世界大戦への参戦を決意したという。

ドイツの外交官ハインリヒ・アルベルトは、スパイ計画が記載された書類入りのブリーフケースを抱えながら列車の中で居眠りをしてしまった。

駅に停まった振動ではっと目を覚ました彼は、ブリーフケースを置き去りにして、慌てて列車から降りた。こうしてスパイ計画はアメリカのシークレットサービスの知ることとなる。

米政府は書類の内容をマスコミにリーク。世論は反ドイツに一気に傾くことになったと言われている。

8. 自転車を泥棒されて世界的なボクサーに

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史上最高のボクサーは自転車泥棒が生み出したと言われている。

1954年、ある警察官自転車を盗まれて憤慨している12歳の少年に出会った。泥棒を「ブチのめす」と彼が怒り心頭だったため、警官はまずボクシングでも覚えろと、その手ほどきをするようになった。少年の名はカシアス・クレイ――のちのモハメド・アリである。

9. 葬儀の欠席が原因で最高指導者になれなかった

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ソ連の政治家レフ・トロツキーは赤軍の指揮官で、ソ連の最高権力者の1人だった。が、1924年にレーニンが死去して状況は一変する。

スターリンから間違った葬式の日程を伝えられたおかげで、レーニンの葬儀に参列できなかった。

このためにトロツキーは軽蔑され、政治的な地位を失った。代わりに最高指導者の座に就いたのがスターリンである。

10. 月面の散歩が原因で月の気温上昇

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アポロ計画によって月の気温が約0.6~1.8度上昇したという。

月の表面の土は、その下の土よりも軽い。そのために、月面を宇宙飛行士が歩いたり、探査機を乗り回したりしたときに、下の土がむき出しになった。下の土は色が黒っぽかったため、日光の吸収率が上がったことが原因だと言われている。

11. 水泳の練習で寄生虫に感染。台湾侵攻が中止に

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1949年、当時の中国政府は3万7000人のエリート兵に水泳の訓練を実施。しかし運河で泳いでいた兵士の4割近くが寄生虫に感染し、住血吸虫症で体調を崩してしまった。

このために予定されていた台湾侵攻は中止となる。仮に侵攻が行われていれば国際問題となり、アメリカ軍との正面衝突もありえただろう。

12. 2ドルの磁石がサメを救う

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2ドルの磁石がオーストラリアでサメを救う。

漁業用の網に小さな磁石を取り付けておくと、サメの感覚を狂わせる。このために、サメが誤って網に絡まる事故が3割も減少することが分かっている。

サメにとっていいばかりか、これによって網に余裕ができるために、漁獲量を3割上げることができる。

13. 銅の廃品回収によって一国のインターネットがダウン

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2011年、銅の廃品を回収して生計を立てていたジョージアの老婦人が、売り物になる銅をとろうと地面にあった光ファイバーケーブルを切断してしまった。

これによってアルメニアの9割、ジョージアアゼルバイジャンの一部で、5時間に渡りインターネットが使えなくなった。

14. 1人の兵士のトイレ休憩によって日中戦争が勃発?

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盧溝橋の北側で軍事演習を行っていた大日本帝国陸軍のある部隊で人員の点検が行われると、行方不明者がいることが判明した。

その人物、志村菊次郎二等兵はただトイレに行っていただけなのだが、部隊は中国軍に拉致されたものと勘違いした。この誤解が中国との緊張をエスカレートさせ、2日後に全面戦争に突入してしまったという。

15. 入力ミスで160億円の被害

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017年3月、アマゾンのウェブサービスエンジニアがささいな入力ミスをしてしまったことから、無数のサイトがダウンした。

本来は軽い不具合を修正するため、1、2のサーバーを停止するだけのはずだったのだが、コマンドに入力ミスがあった。

このせいで、わずか数時間のうちにウェブショップが被った被害総額は1億5000万ドル(約160億円)にも達した。

16. 仏像を建てたら犯罪が激減

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2009年、溢れるゴミや犯罪・売春といった問題にうんざりしたアメリカ・カリフォルニア州オークランドのある住人が、自宅の近所に仏像を建てた。

すると、まずゴミが減り始め、それから中国人やベトナム人の移民が集まりだした。彼らはそこに寺院を建て、日々祈りを捧げるようになった。2012年以来、近隣の犯罪は82パーセント減少したという。

References:cracked/ written by hiroching / edited by parumo 全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52268323.html
 

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