字が似ていて間違いやすいとしばしば話題になる「青海駅」と「青梅駅」。紛らわしい駅はこれ以外にもあり、有名な地名や施設の名前に似ていて間違えるケースも。正真正銘の「同名駅」もあります。
間違えると2時間のロス
しばしば、ゆりかもめの青海(あおみ)駅(東京都江東区)と、JR青梅線の青梅(おうめ)駅(東京都青梅市)が“セット“で話題になっています。
アイドルグループ「HIGH SPIRITS」の小室あいかさんは2018年11月27日(火)、青海にあるライブイベント会場の場所を青梅と勘違いしたとのこと。本人はツイッターに「青梅駅だと思って着いて、ZeppTokyo(記者注:イベント会場の名称)の道調べようとしたら、青梅ではなく青海で、まったく違う場所に来てしまいまして、青梅から青海まで2時間かかってしまうのでライブに出れなくなってしまいました」と投稿しています。
同様に、一般に報道されたケースだけでも、青海で行われたイベントの参加者が青梅駅を訪ねてしまったり(2014年)、やはり青海のイベントに出演する予定だった芸能人が青梅駅に向かったり(2016年)するなど、字面が似ていて紛らわしく、行き先を間違えたケースが何度も話題になっています。
JR常磐線の佐貫駅(茨城県龍ケ崎市)も、千葉県富津市内の観光牧場「マザー牧場」の最寄り駅であるJR内房線の佐貫町駅と間違えて訪ねる人が多く、紛らわしい駅名として比較的よく話題になります。常磐線の佐貫駅は2020年春、市名にあわせて「龍ケ崎市駅」に改称される予定。間違えて訪ねる人も減ると思われます。
ただ佐貫駅には、同駅と竜ヶ崎駅を結ぶ関東鉄道竜ヶ崎線も走っています。もし、この竜ヶ崎線の佐貫駅も、JRに合わせて駅名を「龍ケ崎市」に改称したとしたら、「関東鉄道竜ヶ崎線は龍ケ崎市駅と竜ヶ崎駅を結ぶ」という大変ややこしいことに。しかし関東鉄道によると、駅名を改称するかどうかは社内で協議しているものの、何も決まっていないそうです。
もっとも、龍ケ崎市駅(佐貫駅)と竜ヶ崎駅のあいだは竜ヶ崎線で4.5kmのため、間違えても“被害”は少ないかもしれません。
大阪にある球場の最寄り駅は滋賀の駅?
似ているどころか「同名駅」も各地に多数あります。たとえば小田急線の足柄駅(神奈川県小田原市)とJR御殿場線の足柄駅(静岡県小山町)は、字も読みも全く同じです。
両駅は小田急線~御殿場線(新松田駅から松田駅まで徒歩で乗り換え)のルートで約28km、直線距離でも約17km離れています。間違って訪ねた場合、鉄道なら50分くらいかけて、本来の目的地のほうの足柄駅に行かなければなりません。
別の場所にある有名な地名や施設の名前に似ている駅もあります。群馬県桐生市内にある上毛電鉄の富士山下(ふじやました)駅は、富士信仰を伝える神社がある富士山(ふじやま)の最寄り駅。静岡、山梨県にある日本一高い富士山(ふじさん)の麓にある駅ではありません。
2017年に乗りものニュース編集部が上毛電鉄に取材したところによると、富士山(ふじさん)が世界文化遺産に登録された2013(平成25)年の前後には、間違ってこの駅を訪ねる外国人観光客が多かったといいます。上毛電鉄は誤乗防止のPRも兼ね、この駅の記念入場券を販売。その後は誤って訪れる人もいなくなったそうです。
大阪市内にあるドーム球場「大阪ドーム」は、ネーミングライツ(命名権)の販売で「京セラドーム大阪」を名乗っていますが、近江鉄道の京セラ前駅(滋賀県東近江市)を最寄り駅と勘違いして訪ねる人がいるといいます。この駅の近くには京セラの工場があるものの、もちろん京セラドームはありません。
近江鉄道によると「JR線との連絡駅に『京セラ前駅は京セラドームの最寄り駅ではありません』と記した案内を掲示して、注意を促しています」とのこと。「京セラドームで男性アイドルのコンサートがある日は、弊社の路線を日常的に使っている人とは雰囲気の異なる女性客を見かけることが多く、こちらから声をかけて行き先を尋ねることもあります」と話していました。
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