「ハラスメントを未然に防ぐ会」略して「ハラミ会」。漫画から生まれた言葉が議論を巻き起こしている。
■「我々は一般女性とは飲みません」
「ハラミ会」は、ハラスメントが起きないように、あえて女性を参加させない会」のことであり、漫画家の瀧波ユカリさんの作品『モトカレマニア』(講談社)に登場したことがきっかけのようだ。
その内容は…不動産店に就職した主人公の難波ユリカは、終業後に男性社員たちから「我々は一般女性とは飲みません」と、飲み会に誘われることはなかった。
それは、「飲みの席でうっかりセクハラする自分に嫌気がさした男たちだけで飲む」「女性がなんで傷つくかわからないから」などの理由からだった。
■議論広がり「フィクションです!」
この漫画を読んだひとりの読者が、このワンシーンの写真とともに「ハラミ会最高か…」と紹介。ここで賛否両論が巻き起こったのだ。
「パワハラ、セクハラを避けるための最大の防御法」「女子会の男バージョンっていうだけでしょ。別にいいじゃん」というアリ派と、「『女性だけを誘わない』という行動自体がセクハラ」「男性が話題に気をつければいいだけ。極端すぎる」というナシ派に分かれ、議論に。
このシーンだけを切り取って広がる議論に、作者である瀧波氏が「フィクションです!」と強調するまでに至った。
■女性の5人に1人がセクハラ被害
しらべぇ編集部は、全国20〜60代の有職者の男女672名を対象に「上司からのセクハラ被害」について調査を行った。
結果、男性が1割未満に対して女性では2割強という回答になった。
■正解はない
ここ数年で「ハラスメント」という言葉は種類が増え続けているが、「セクハラ」「パワハラ」はもっとも浸透している言葉だ。これは受け取る側がジャッジすることのため、線引きは難しい。
極端な話だが、「今日かわいいね」という言葉を喜ばしく受け取るか、嫌悪感を抱くか…もっと極端に言うと「相手によりけり」ということも少なくない。
個人の違いを「察して」というのは酷な話だろう。とはいえ、最初から「女性を排除」というのはそれこそ性差別ではないか…。賛否ともに真っ当な理由があり、どちらが正解というものはないだろう。
ただ、セクハラもパワハラも「男が悪い」「女が悪い」ではなく、その行為に問題があるのであって、背景にある社会構造も見直しが必要だろう。
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【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年7月22日〜2016年7月25日
対象:全国20代〜60代の働く男女672名(有効回答数)
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