2人目の子どもは何歳差がいいか お金の面で考えてみる

1人でも大変…2人目は産んだ方がいい!? ひとりっ子ママと2人以上産んだママに聞いた本音

1人目の子どもが生まれたあと、夫婦のあいだでぼんやり意識するのが「2人目、どうしようか」という問題です。

2人目の子どもについては

  • 絶対に欲しい
  • 自然の成り行きでできるなら産みたい
  • どちらかといえば望まない

という3つのスタンスがあると思いますが、頭の中で次に考えるのは「何歳差くらいがいいかな」というものです。

数歳差で一気に子育てを終わらせるというパターンと、未就学児をふたり抱えるのは大変だから5~6歳差を空けて、という考え方もあるでしょう。10歳以上離れて、というのは多くの場合計画的というよりは自然の成り行きが多いと思います。

もちろん2人目の子どもが産まれること自体、狙って確実に決められることではありません。しかし子どもの年齢差とお金の問題について考えておくことは決してムダではないはずです。

今回は「数歳差(特に2歳差か3歳差か)」とと「5~6歳差」について、ファイナンシャルプランナー目線でアドバイスしてみたいと思います。

年齢差があまりに大きいとキャリアや老後資金準備に留意

まず、最初に考えてみたいのは年齢差がそれなりにあって、「小学生と0歳児」あるいはそれ以上離れた子ども、というようなケースです。

1人目の0~2歳までの子育てにずいぶん苦労した家庭では、「同時にもうひとりは絶対無理!」となったり2人目の妊活に踏み出す余裕がなかったりしますので、小学校に入ったころ2人目、ということはしばしばあります。

まず子の学費準備の観点でいえば、7歳以上差がつくと「高校と大学」の学費負担がかぶらずにすみます。1人目の大学卒業が終わったら、2人目の高校入学となる感じです。4歳以上差があれば大学が同時にならないので、負担が一番大きい4年間を重ならずにすみます。

支払う総額は子どもの年齢差とは関係ありません。しかし、同じ年に300万円の学費負担になることは避けられるわけです。

一方で、女性のキャリアについては難しさがあります。ようやく時短勤務を終えてフルタイムになろうかというときに、また産休・育休、時短勤務となるからです。

職場を辞める必要はありませんが、キャリアアップは難しくなってしまうかもしれません。(とはいえ、みんなが部長になる必要はありませんので、自分の役割をしっかり果たして働き続ければいいと思います)

また、老後のお金の準備が手薄になる恐れもあります。1人目が32歳、2人目が40歳の子、のように年齢が離れた場合、2人目の子の大学卒業を「自分たちの老後のお金の準備スタート」とすると完全に出遅れてしまいます。

今あげた例だと、ママのほうが63歳のとき下の子が社会人になって、パパは65歳。となれば老後の準備をする間もなくリタイアということになってしまいますから、老後のための貯金も少額でいいので積立していくことが大切です。

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3歳差は高校と大学の同時受験、同時入学

今度は年齢が近い場合、2歳差あるいは3歳差の場合で考えてみます。

まず考えるのは「学費負担のタイミング」です。学費負担の山場は、高校入学と大学の入学の2つのタイミングですが、これがほとんど重なってしまうことに注意が必要です。

3歳差である場合、「同時受験、同時入学」の問題に直面します。予備校の費用に始まり、受験費用(必要な場合宿泊費用)、入学金とダブルで負担をし続けることになります。

統計的にみると、高校入学金(29万円)と初年度の学費(69万円)の合計で98万円、大学入学金(85万円)と初年度学費(153万円)の合計が238万円なので、合計で336万円が飛んでいくことになります。

実際には予備校費用などもあるのでもっと費用はかかることでしょう。(日本政策金融公庫 教育費負担の実態調査結果より)

2歳差ならどう?

2歳差なら、少なくとも入学金については別の年度でやりくりすることになります。とはいえ、2~3歳差の場合、高校と大学の学費をダブルで払う年数」が4~5年くらい生じることは避けられません。特に大学に2人通う時期はかなりの苦労です。

こうした教育費は、その年にかかる全額をその年の収入だけやりくりするのは不可能ですから、早い時期からの入念な資金準備が欠かせません。

準備については、別年度のほうが気が楽だとしても、3歳差にはひとつメリットがあって、同じ年に2人分の受験が一気に片付く、というメリットもあります。

受験のある年は予備校のスケジュールに家族が日程を合わせたり、勉強中は家中が静かにしていたり、ピリピリするものですが、毎年「今年はお兄ちゃん」「今年は妹」のように誰かの受験が続くより、3歳差のほうがラクともいえるわけです。

とはいえ、学費は受験のために「あえて3歳差」という妊活はあまりないでしょうから、気にしすぎないようにしたほうがいいでしょう。

なぜなら「どうせかかる費用」と考えれば2歳差も3歳差も同じ、ともいえます。かかる費用の合計は年度がズレようとも結局のところ似たような金額になるはずだからです(むしろ進学先が私立か国公立か、あるいは学部が何かによる影響も大きい)。

タイミングを狙いすぎると2人目不妊の恐れも~2人目妊活は早めに

それよりもうひとつの心配は「狙いすぎてタイミングを逸する」ことのないようにしてほしいということです。いわゆる「2人目妊活問題」です。

「○年あいだを空けよう」と狙いすぎて結果としてうまく妊娠できなかったり「もう一人欲しいけれどあとは自然にまかせて」と考えていたらいつまでたっても2人目が生まれなかったりすることがしばしばあります。

2人目の妊娠、出産についてはママの年齢が高齢化するという問題もあります。自然妊娠で1人目が生まれた場合も、そうでなかった場合も、悩んだら早めの受診をしてみてはどうでしょうか。

おまけ 七五三については2歳差が便利

わが家は2歳差で子どもがふたりいます(3歳と5歳)。不妊治療をして苦労したので、2人目についてはできるだけ急いで治療を始めたところ、スムーズに授かって2歳差になった、という感じです。

結果として言えば、オムツが外れてるまでの苦労する乳幼児期間を連続で一気に乗り切った、という感じです。結構イクメンにがんばりましたし家事もたくさん引き受けましたが、今からもうひとり子育てがんばれるか?、と言われると体力が残っているか心配になります。

わが家のケースで、「2歳差がよかったなー」ということがひとつだけあるとすれば、それは七五三です。3歳、5歳、7歳と2歳刻みでイベントが発生しますから、2歳差だと「セットでふたりとも着物を着せてお祝いしちゃえ」ということができるからです。

悩んでいるなら2歳差ねらいはいいかもしれませんよ(結果として3歳差になるかもですが、それはそれでいいことですし)。