近い将来、女優やモデルといった分野の最前線で活躍していくであろう10代の美少女たち。そんな彼女たちの魅力を読者に知ってもらうべく始まった、週プレNEWS&週プレモバイルの連載『微熱少女』。

週刊プレイボーイが注目した美少女が毎週月曜日に登場するこの連載。撮り下ろしカットとロングインタビューで、彼女たちの魅力をお届けします。

第4回は、13歳で女優としてデビューし、初主演を務めた短編映画『そうして私たちはプールに金魚を、』でサンダンス映画祭短編部門グランプリを受賞した、湯川ひなちゃんが登場!

インタビュー前編に引き続き、後編では、彼女自身の"今"にせまります!

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――前編では湯川さんの幼少期のお話や、デビューのきっかけについてお聞きしました。デビューしてから4年経ち、映画出演がお仕事のほとんどだと思いますが、一番印象的だった出演作品は?

湯川 やっぱり、短編映画の『そうして私たちはプールに金魚を、』ですね。

――それはやはり「サンダンス映画祭」という大きな映画祭でグランプリを獲れたからですか?

湯川 いや、それもありがたかったんですけど、印象的なのはほかの理由で。この映画に出させていただくまで「映像は大きなカメラで撮るもの」ってイメージだったんですけど、これはスマホやGoPro(※手のひらサイズのため、狭いところでも手軽に高画質の映像を撮影できるアクションカメラ)で撮影したシーンがあったんです。

主人公グループがボウリングをするシーンも、ボールの穴にカメラを入れたりして。25分間の映像自体がずっと面白いし、もう「芸術だな」って思いました。

――たしかに印象的な撮影方法ですね! 湯川さん自身は「埼玉・狭山に"閉鎖的&退屈"な雰囲気を感じて、衝動的にプールに大量の金魚を投げ込む女子中学生」の役でしたが、あの配役はいかがでした?

湯川 演技自体はやりやすかったです。基本的に自分に近い役というか、そこまで作り込む役ではなかったので。まぁ、私は「金魚を投げ込みたい」とは思ったことないですけど......(笑)。

――安心しました(笑)。ちなみに、湯川さんはストレスが溜まったとき、どう発散します?

湯川 私の場合は、読書や映画を観たりすることが好きなので、それが発散方法ですね。あとは、だらりと深夜にバラエティを観たり......。でも、今は受験生なので、あんまり観られてないんですけど。

――受験するのは大学ですか?

湯川 フランス語圏の文化」を勉強できる文学部がある大学を見つけたので、そこに行きたいんです。フランスの作品って、「わかりやすくヒーローが出てきて、わかりやすく事件を解決する」っていうより、何も起こらない"日常"を描くものが多いんです。私はそういう作品を観て、作った人たちが何を描きたいのかを考えることが大好きで。

今は自分の知識の範囲のものしか想像できないけど、文学部にはそういう作品のことばかり研究している人が絶対にいるはずだし。いろんな解釈を知って、それが自分の演技につながったらいいなって思ってます。

――大学に行くのも、文学部に行くのも、あくまで演技のため、と! 本当に演技に対してストイックですね。でも、大学生っていろんなことができる自由な世代じゃないですか。やりたいことって、ほかにはありますか?

湯川 なんだろう? さっき言った文学の深い話ができる友達を作りたいし......あと、いろんな資格は取りたいなって思います。読書と演技が好きだから、司書や学芸員の資格とか......あと、"柔道整復師"の資格とか。

――柔道整復師?

湯川 簡単に言えば、マッサージ師の資格です。専門の学校に行かなきゃ取れない資格かもしれないけど、普段生活していて身体が痛くなったときに、自分で治せたらいいなって思って。

――......だんだんわかってきたような気がするんですが、湯川さん、考え方が少し独特ですよね。女子高生らしくないというか。

湯川 よく言われます(笑)。「放課後とか休みの日に、友達と一緒にどこかに行って騒ぐ」みたいなことも興味ないですし。

――今年、TikTokが流行ってるじゃないですか。音楽に合わせて「全力笑顔~♪ 全力泣き顔~♪」って、いろんな表情で自撮りする、みたいな。学校にいたら「ひな、一緒に撮ろうよ」ってなりません?

湯川 何度か誘われたことありますけど、一度も撮ったことないですね。"今っぽいもの"についていけなくて、友達がみんなやってるスマホの音声入力もできないし......。TikTokも、もし撮らなきゃいけなくなっても、ずっと真顔でいると思います。

――"全力真顔"ですか(笑)。

湯川 それもきっと、どこかでカッコつけようとしてるからなんですよ。自分は言いたいことがあっても言えないタイプだし、そもそも言いたいとも思わないタイプで。「もっと自分をむき出して生きられたら......」っていつも思います。

――でも、その自分を俯瞰で見ているところも、いい意味で10代らしくない強みだと思います。話は少し逸れましたが、最後の質問です。10年後の湯川さんは、どんな自分になっていたいですか?

湯川 10年後は......28歳ですね。演技のお仕事で、自分より若いコにご飯を食べさせられるくらい稼いでいる人になっていたいです。あとは旅行をいっぱいしていたり......。

――また独特というか、リアルな希望です(笑)。将来的にやってみたい役はありますか?

湯川 具体的に「これ!」っていうのは今はないんですけど、たとえばアクションもやってみたいですし、演技の幅は増やしていきたいですね。そのためには、まず大学に受かって、いろんな人の考え方を勉強したいと思います。

――大学受験、そしてこれからの女優人生、応援しています!

(スタイリング/小山田孝司 ヘア&メイク/友森理恵(ROOSTER))

●湯川ひな(ゆかわ・ひな)
2001年2月26日生まれ 東京都出身 身長159cm
◯2014年、「ミサワホーム」のTVCMで女優デビュー。2016年には、主演を務めた短編映画『そうして私達はプールに金魚を、』が『サンダンス映画祭』(アメリカ)の短編部門で、日本初のグランプリを受賞した。最新情報は公式サイトにて

取材・文/アオキユウ(short cut) 撮影/蓮井元彦

初主演の映画でサンダンス映画祭短編部門グランプリを受賞するなど、女優としてキャリアを積む湯川ひな