鉄道の架線に氷や霜がつく(着氷霜)と、その架線に接しながら電気を受けたり送ったりするパンタグラフに、バチッというアークが発生する。

JR東海は、氷や霜の付着をリアルタイムで検知し、車両の加速を自動的に制限し大きなアークの発生をおさえる技術を日本で初めて開発。

2018年12月から2019年3月まで、N700Aタイプ10編成を使い、東海道新幹線で試行をはじめる。2020年度の導入をめざす。

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東海道新幹線では、冬季期間、米原~京都間を中心とする区間で、架線に氷や霜の付着が認められる場合に、運転士の操作により加速を制限し運転。

氷や霜が付着した架線とパンタグラフの間でアークが発生し、パンタグラフが損傷することを防止するための加速制限を行っていた。

東海道新幹線N700A(3次車)からは、パンタグラフ状態監視システムを搭載。既存のN700Aタイプも改造し順次搭載している。

今回の試行は、着氷霜によって生じる電流の乱れの有無を常時監視し、着氷霜を検知した場合、車両が自動的に加速を制限することで、架線から取り入れる電流を低減させるという仕組み。

実用化すると、着氷霜をリアルタイムで検知でき、パンタグラフの損傷リスクを低減できる。

また、着氷霜区間のみに絞って車両が自動的に加速を制限することで、列車遅延時間を短縮できるといった効果が見込める。