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先日掲載の「いじめ自殺未遂に開き直り。教育委の呆れた逆ギレと逃げた北杜市長」等で、全国の教育委員会や学校のいじめに対する呆れ果てた対応を紹介している、現役探偵の阿部泰尚(あべ・ひろたか)さん。阿部さんは今回、自身のメルマガ『伝説の探偵』で、各地で横行するいじめ調査報告書捻じ曲げの手口や、なぜこうしたことが起こるのかについて、現場を直視してきた探偵ならではの視線で記しています。

捏造改ざん隠蔽が横行する学校などが行ういじめ調査の報告書問題

いじめの報告書は捏造される

読売テレビそこまで言って委員会NP」に出演したとき、スタジオゲストであった橋下徹(元大阪府知事、元大阪市長)が、「いじめの報告書は上がってくるものもあるが、その内容を見ると大ごとではないものも多い。…(中略)…もちろん、重篤なものもあるから、君みたいな人がいるのは私はいいと思うよ」という発言をしていていた。

もちろん、税金を投入し1つ1つのいじめに介入していたら、キリがないというのは現実的に問題があろうが、私が知る限り、正確な報告が内部でなされていると率直に思えるいじめ報告書はほとんどない

例えば、神戸市の中3いじめ自殺事件(2016年10月)では自殺から5日後に教員が生徒らから聞き取っていた内容が記載されたメモの存在を「事務処理が混沌となることを理由に隠蔽を図った埼玉県川口市では、いじめによる不登校事件において、事実とは異なる報告がなされており、これを被害者らが指摘し、訂正に応じるとしつつも、その後、その訂正を拒絶するなどしている。

私が調査を行なった東京都の区の事案では、被害保護者が訪問していない日時の訪問記録が捏造されたり、学校側が求めて行われた話し合いについても怒り狂った保護者が突然来訪したため仕方なく対応したとの記載があった。

つまり、地方自治体の内部ではその体裁を整えるために、虚偽報告や文書の捏造が頻繁に行われているのであり、それをいくら感度の高い首長が読んだとしても、その報告書から実態の酷さを把握することは不可能なのだ。

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