今期、2本のドラマでタイプの違うワルを演じ分ける磯村勇斗の人気が急上昇中だ。2017年上期の連続テレビ小説ひよっこ」(NHK総合ほか)ではヒロイン・みね子(有村架純)と結ばれる純朴な見習いコック・ヒデこと前田秀俊を演じていた磯村。そのピュアな表情から一転、ダークな一面をのぞかせる磯村の演技に注目が集まっている。

【写真を見る】「今日から俺は!!」では銀髪ヤンキーに!目つき怖すぎ…!!

仮面ライダーゴースト」(2015-2016年、テレビ朝日系)で注目を集めた磯村。「ひよっこ」で演じたヒデは、みね子のことを思いながらも親友・島谷(竹内涼真)との恋を応援する健気な姿が印象的だった。みね子の「ヒデさんが大好きです!」という一言を偶然聞いてしまったときの目を丸くした表情も忘れられない。とにかく表情が記憶に残る俳優なのだ。

最終回では、すずふり亭と谷田部家の面々を前に、まっすぐな目で「みね子さんと結婚させてください!必ず、僕ら幸せに生きます!幸せになることをあきらめません!」と堂々と宣言し、視聴者を感動の渦に巻き込んだ。

■ 卑怯なヤンキーもハマる!!

そんな磯村が今期挑んでいる作品は2本。千葉のツッパリたちの毎日を描いた「今日から俺は!!」(日本テレビ系)と、大ヒットした米ドラマをリメイクした「SUITS/スーツ」(フジテレビ系)で、どちらも主人公を窮地に陥れるワルを演じている。

12月9日に放送された「今日から俺は!!」第9話では、相良が開久のアタマ・片桐智司(鈴木伸之)をだまして追い落とすエピソードが描かれた。

すでにボコボコになった伊藤真司(伊藤健太郎)を前に、やや猫背で肩をいからせた相良は「こいつが二度とつっぱらんように、きっちりカタにハメとこうぜ」と容赦ない。伊藤を子分たちに襲わせ、自らは薄ら笑いを浮かべながら智司を棒で殴って“開久のアタマ”の座をもぎ取った。

汚い嘘も平気でつき、弱い相手をさらに集団で痛めつける卑怯な男・相良。原作ファンの間でも“嫌われ役”で通っているキャラクターだが、ドラマ版の相良には「憎らしいほど惚れ惚れする!」「狂犬っぷりがハマってる」「卑怯だけど惹きつけられる。よき…」など好意的な声が寄せられている。

■ 「スーツ」“主人公の悪友”で見せた“深み”

一方「スーツ/SUITS」では、主人公・大貴(中島裕翔)の悪友・遊星を熱演中。遊星は、あくどいやり方で金を稼ぐワル。だが一方で、言動の端々には妹・砂里(今田美桜)思いの一面や、大貴との友情も覗かせる深みのあるキャラクターだ。第5話では、堂々としたワルぶりは影をひそめ、涙をこらえて「やっぱ信じられんのはお前しかいないって、俺やっと分かったよ」と口にした。そして、大貴に突き放されると絶望と悲しみの入り混じったような表情を見せ、視聴者の心をつかんだ。

「スーツ」第9話では、砂里が泣かされたと知った遊星が、腹いせに“大貴は無資格の人間だ”と密告。第10話では砂里にも「あいつのことは忘れろ。もうあいつは終わりだ」と告げる。そして12月17日放送の最終回では、遊星のせいで追いつめられた大貴が甲斐(織田裕二)とともに“最後の案件”に挑む。

愛嬌のある役だけでなく悪役も魅力的に演じる磯村。その魅力を支えるのは、顔や声の表情、そして姿勢にまで気を配る細やかな演技だ。身体全部を使って役の生きざまを表現する磯村だからこそ、ひとつひとつの役柄が生き、ファンを惹きつけるのだろう。磯村について、「スーツ」の後藤博幸プロデューサーはザテレビジョンのインタビューに答えて「磯村さんは“カメレオン俳優”なんだなと感じています」「役柄によって本当に別人に見えるんです」と太鼓判を押す。

公開中の映画「ういらぶ。」ではみんなを優しく見守る“ほほえみ男子”・蛍太を演じる。「ひよっこ」のヒデや「ういらぶ。」の蛍太など温かみのあるキャラクターだけでなく、今期は2つのドラマでタイプの違うワルを演じわける磯村。

回を追うごとに、視聴者からも「演技がうまい!」「ただのイケメン俳優じゃない」「ヒデと相良が同一人物だって今頃知った…恐ろしい!」「卑怯だけど、カッコいい!!」といった声が高まっている。愛されキャラから卑劣なワルまで、演技のふり幅で新たなファンを獲得し続ける磯村の今後の活躍に注目したい。

今日から俺は!!」は毎週日曜夜10:30〜日本テレビ系で放送。次回12月16日(日)最終回。

「スーツ/SUITS」は毎週月曜夜9:00〜フジテレビ系で放送。次回12月17日(月)最終回、15分拡大放送。(ザテレビジョン

ピュアな役から悪役まで…磯村勇斗の演技に注目集まる!