教室に子供(paylessimages/iStock/Thinkstock/写真はイメージです)

2015年11月、鹿児島県内に住む中学1年の男子生徒が自殺。その原因とされた教師の「誤解」と「指導」に、ネットからは怒りの声があがっている。

 

■「責任とれるのか」と叱責

同県奄美市の市立中学1年の男子生徒(当時13歳)が自殺し、原因などを調べていた同市の第三者調査委員会は9日、報告書を提出。生徒をいじめの加害者と思い込んだ男性担任教諭が不適切な指導を行ったため、生徒が自殺に追い込まれたと認定した。

報告書によると、男子生徒は15年11月4日、同級生に嫌がらせをしたとして、他の生徒4人とともに担任から「(同級生が)学校に来られなくなったら責任をとれるのか」などと叱責されたいう。

しかし実際は、生徒が発した方言が悪口のように誤解されただけで、第三者委が「いじめとは到底いえない」とする内容に過ぎなかったそうだ。

 

■「誰にでも失敗はある」

生徒は約2カ月前にも担任から同じ内容で謝罪を強いられたが、いじめを受けた同級生を遊びに誘うなど気遣っていたとされている。さらに、一連の指導に「意味が分からん」と周囲に不満を述べていたという。

そして一番のきっかけは、事前の連絡なしに行われた家庭訪問だとされている。そこで、生徒にかけたとされる「誰にでも失敗はある」との言葉で、自分の気遣いなどが否定されたように感じたのだろうと、報告書で指摘された。

■「先生は裁判官じゃない」と怒号

誤解をし、そのうえで生徒を追い詰めたこの教師に、ネットからは「絶望的な気持ち」「先生は裁判官じゃない」と怒りの声が多くあがっている。

・担任も一緒になっていじめてたんじゃないのか、と思えるレベル。そんな勘違いなんてあり得るのかな

 

・罪なのに、やったんだろと決め付けられ、誰も信じてくれる人がいなかったら、誰だって絶望的な気持ちになりますよね

 

・先生は裁判官じゃないよ。相手は子供なのに、結局根拠のないことで責めたということ

 

・「いじめ」=「誰が悪い」=犯人捜し…じゃない。日常から「いじめ」は見え隠れしている。もう少し、生徒の中に入れる教員なら見抜けたと思う

 

■自殺を考えた人の割合は…

しらべぇ編集部が全国20〜60代の男女1,332名に「自殺」について調査したところ、20〜30代の3人に1人が「本気で自殺を考えたことがある」と回答した。

(©ニュースサイトしらべぇ

たった一つの誤解が、最悪の展開を招いてしまった今回の事件。教師1人の責任を追求する声も多い一方、「過酷な労働環境が生んだ事件」と社会全体の問題だとする声もあがった。

なぜこのような顛末を迎えたのか、広い視野で捉えていく必要があるのかもしれない。亡くなられた男子生徒のご冥福を祈りたい。

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(文/しらべぇ編集部・清水 翔太

【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」 調査期間:2017年3月24日~2017年3月26日
対象:全国20代~60代の男女1,332名(有効回答数)

教師の「誤解」で中1男子が自殺 「死に追い詰めた言葉」に怒りの声