地域限定の政治団体を総称して、地域政党と呼ぶ。この10年、この地域政党が日本に着々と増え続けている。我々が提唱する地域政党連絡協議会の加盟団体も今年10団体を数えた。

第7回 地域政党サミットin松山

第7回 地域政党サミットin松山

 未加盟団体でも、最大手の大阪維新の会都民ファーストの会、地域政党の草分け的存在の沖縄社会大衆党、北川正恭元三重県知事と対峙し誕生した新政みえ、国政型地域政党の新党大地など、以前の維新や都民ファーストといったほどの華々しいニュースはないが、地道に着実に各地で活躍をしている。

地域政党は使い勝手がいい?

 さらに、この1年でも新たにいくつも誕生した。ここ1年の傾向としては、国政政党の分派が主たる増加要因だ。昨年、民主党が瓦解し、国民民主党立憲民主党、無所属の会と分裂した。特に、無所属の会となった国会議員を支持する地方議員グループは、所属政党なし状態で、ひとまずの止まり木として地域政党を結成している。

 野田佳彦元首相のおひざ元で誕生した「千葉民主連合」などがそれにあたる。また、国民民主党に所属しながらも、国政の政界再編のたびに振り回されることに危機感を抱いた地方議員が、愛知県で「新政あいち」を結党している。正直、地域政党というのは、厳格な定義がなく(我々はしっかり定義を持っているが)、誰でも地域密着型の政治団体を地域政党と名乗れる手軽さから、政界過渡期には使い勝手のいい道具なのかもしれない。

国政に振り回されない地方政治へ

 しかし、それでいいのかということだ。地方は国に振り回されるというが、地方議員も国会に振り回される。国の政界再編があるたびに、地方議会の会派も組み換え、党の下部組織も看板の付け替え、分裂が繰り返される。私の地元は京都だが、民主系議員は、国民、立民、無所属に分かれた。そして、その流れは再び国の政界再編によって離合集散を繰り返すことになるだろう。

 国に陳情して予算を分けてもらって成り立っていた時代はともかく、地方自立の時代の今となっては地方議員にとって昔ほど国会議員は有り難い存在ではないはずだ。ぶら下がっていたら一定の票にはなるのだろうが、国会議員も地方議員の力を借りないと選挙が成り立たないわけで、それはお互いさまなのだ。

 そういう意味では、地方議員が国会議員の子分に成り下がる必要もなく、国会議員と地方議員はが対等なに連携でいいはずだ。その点、過疎地域は「国会議員=神様」思想が強いが、都市部はその呪縛が解けつつあることも都市部に地域政党が誕生しやすい一因となっている。

風は無風。だからこそ実力で勝負できる

 地域政党の特徴のひとつに「選挙において国政の逆風も受けない代わりに追い風も受けない」ということが言える。国会議員や国政政党の旗色の影響を受けない選挙ができる。換言すれば、地方議会での活動が100%問われる。実力なく、政党の風に乗って当選する議員は残念ながら誕生しにくい(往年の維新ブーム都民ファーストブームは東京大阪といったメディアを抱えた特殊な都市の事例なのでここでは除外しておく)。

 本来、実力のある地方議員は無所属や地域政党で活動した方が外部要因に振り回されない分、絶対的に強い。地方選挙に国政の風が入り込まないことは、健全な地方選挙にもつながる。分かりやすく言えば、候補者が全員無所属なら、候補者1人ひとりをちゃんと見ていかないと投票行動ができないからだ。

 現在、都市部ではほとんど国政政党所属の候補者ばかりなので、「安倍さん好きだから自民党の議員へ」「原発反対だから立民の候補へ」という安直な投票行動となり、その議員の資質とは無関係な要因で議員を選んでしまう。結果、中身を見ずパッケージで購入しているので、ふたを開けたら大失敗ということが付きまとう。

地域政党を“ブーム”にしない見極めを

 では、全員無所属でやればいいじゃないかというのも一理あるのだが、さすがに議会とは数の論理で動くからどうしてもグループ化が必要になる。結果、地域政党というのが収まりはいい。向かい風になるならしばらくの間、地域政党としてなりを潜めておこうというのか、これからは地域政党としてしっかり地に足の着いた地域政党で頑張ろうというのか、地域政党にも2種類ある。

 来年の全国一斉統一地方選挙では有権者もまた見極めが問われることになている。いずれにしても、今年誕生した地域政党は政界再編までの過渡期政党としていずれ解党に向かうのか、これを機に国政政党と対等な地域政党として発展するするのか、今後の展開が気になるところだ。

第7回 地域政党サミットin松山