広島時代に師弟関係を築いた二人、欧州視察で状態をチェックし招集

 森保一監督にとって待望の“ジョーカー”が、負けられないアジアカップの戦いに間に合った。日本サッカー協会は12日、年明けの1月にUAEで開催されるアジアカップの日本代表メンバー23名を発表。森保監督は9月の新体制発足以降、5試合で起用したメンバーを中心とする一方、サンフレッチェ広島時代の愛弟子であるFW浅野拓磨ハノーファー)を、メンバーリストに加えた。

 広島の黄金期を支えた“師弟コンビ”が、森保ジャパン初の公式大会で復活した。2013年にプロ入りした浅野は、ルーキーイヤーにJ1リーグ連覇を経験。当時はリーグ戦出場1試合と主力ではなかったが、2015年にチーム3度目のJ1優勝を果たした際にはリーグ戦32試合8得点と大活躍し、森保監督の下で才能を開花させた。

 爆発的なスピードを武器に、スタメンでも勝負の時間帯に投入する“ジョーカー”としても輝きを放つ浅野は、バヒド・ハリルホジッチ元日本代表監督にも重用されたが、今夏のロシアW杯はメンバー外。その悔しさをバネに、森保体制初陣の9月シリーズに招集され、コスタリカ戦(3-0)にも出場したが、その後は負傷のため10月は招集を辞退。11月の2連戦は代表メンバーから外れていた。

 しかし指揮官は、先日の欧州視察を通じて、「ここ最近のパフォーマンスを見たうえで、練習には復帰して積んでこられているし、試合のメンバーにも入れている。視察に行った時も、試合に出られなかったがコンディションは良さそうだった」と浅野の状態をチェック。そのうえで「直近の試合でスタメン復帰して、相手を突破するスピードは今の日本代表に必要だと思い招集した」と復帰に至った理由と、浅野への期待を明かした。

 これまでアジアの戦いで、日本はしばしば自陣を固める相手の守備に苦労しており、1点が欲しい時間帯など敵陣を一気に切り裂く浅野のスピードは必ずや武器となるはず。2017年8月31日ロシアW杯アジア最終予選のオーストラリア戦(2-0)で、日本を本大会に導く殊勲の先制点を決めたアタッカーは、UAEの地で再びチームを救う一撃を決めることができるだろうか。(Football ZONE web編集部)

アジアカップの日本代表に選出されたFW浅野【写真:Getty Images】